2017年11月19日(日)

家のトイレ 自動で尿分析

2017/9/6 6:30
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 ヘルスケアベンチャーのサイマックス(東京・葛飾、鶴岡マリア社長)は福岡市と連携し、トイレにセンサーなどを設置し、住民の健康状態をチェックするサービスの実証実験を始める。排尿を自動分析してスマートフォン(スマホ)に約1分で結果を通知する。継続的にデータを収集して生活習慣病の予防につなげ、将来は個人向け製品の開発を目指す。

トイレに通信機器を置き、尿のデータをクラウドに送る

トイレに通信機器を置き、尿のデータをクラウドに送る

 サイマックスは今月下旬から来年3月にかけ、福岡市にあるモデル都市のアイランドシティ内で、最大100世帯のトイレに機器を設ける。

 機器は便器内部に設置する小型バイオセンサーと、トイレ室内に置く通信装置で構成する。糖尿病や痛風のリスクを調べるもので、住民が用を足すと、センサーが自動で検知して尿pH、尿量、尿流量を測る。

 通信機器を通じてサイマックスのクラウドシステムにデータを送る。独自のアルゴリズム(計算手法)で分析してスマホの専用アプリに結果を知らせる。利用者がトイレにスマホを持って入ることで、システムが個人を特定し、尿のデータを正しい相手に送る。

 専用アプリでは数値データをグラフで表示することに加えて生活習慣のアドバイスや疾患関連情報も提供する。

 たとえば尿pHが下がっている場合は、スマホ上で「お酒の飲み過ぎには気をつけましょう」などと注意喚起してくれる。悪い数値が続くと、メタボリック症候群につながる食習慣や糖尿病などに関する情報を流してくれる。利用者がみずから体の変化に早く気づき、改善できるよう後押しできる。

 地域での機器の設置・運用はNTT西日本グループのNTTフィールドテクノ(大阪市、猪俣貴志社長)の協力を得る。

 既存の尿検査では、住民が自身で尿を採取し、容器に入れて専門の検査機関に送る必要があった。結果が分かるまで時間がかかるうえ、日々のデータを継続して分析することが難しかった。

 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の技術を活用することで、手間をかけることなく、継続的にデータを収集・管理でき、住民の健康意識の向上につながるとみている。

 サイマックスはこれまで双日と組んで企業のオフィスビル向けの試験導入を進めてきた。福岡での実証実験は一般家庭向けのテストマーケティングとの位置づけ。結果を検証して将来は家庭向けの専用機器を開発、販売することが視野に入っている。

 サイマックスは2014年6月の創業。15年11月にはベンチャーキャピタルのドレイパーネクサスベンチャーパートナーズなどから資金調達している。小型センサーや解析するアルゴリズムやクラウドはすべて自社で開発しているという。

(企業報道部 鈴木健二朗)

[日経産業新聞9月6日付]

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