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アトムとビットの保護主義(大機小機)

2017/9/5 17:04
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英国の経済学者デビッド・リカードは1817年に出版した著書で「比較優位の原理」を世に問うた。

国々が、それぞれの得意の産物に特化し、交易すれば、互いの利益になることを英国の毛織物とポルトガルのワインを例に示した。

皮肉にも自由貿易の利を説く理論誕生の200周年に、米国にトランプ大統領が登場した。とかくモノにこだわり、自動車など製造業の国外流出やモノの貿易赤字に目をとがらせる。

米国の貿易赤字のほぼ半分を占める中国を相手に、制裁の前提にもなる通商法301条に基づく不公正な慣行の調査を命じた。ただし、対象はモノではなく、知的財産権の侵害などだ。

自由貿易の支持者を気取る中国も、知識や情報の分野では、別の顔を持つ。

6月に施行した「インターネット安全法」は、ネット事業者に中国で集めた個人情報などのデータの同国内での保存を義務づけ、国外持ち出しに審査を課す。

ビッグデータ、ディープラーニング(深層学習)の時代に、7億人を超すスマホ利用者を抱える国のデータ囲い込みは、AI(人工知能)の開発競争などで中国の立場を強くする。

「グレート・ファイアウオール」と呼ばれるネット検閲システムのせいで、世界中で利用されているグーグルやフェイスブックも、中国では接続が難しい。

規制を迂回するにはVPN(仮想私設網)の手を借りるが、米アップル社は、中国政府の要請でVPNアプリの中国での販売を止めた。防壁をさらに高めるつもりなのだろうか。

規制の最大の眼目は、共産党一党独裁体制の維持だろうが、おかげで海外ネット企業との競争から守られたアリババ集団や騰訊控股(テンセント)など、時価総額で世界の十傑に入る巨大ネット企業が育った。

従来の物質中心の経済=「アトム経済」、情報の役割が飛躍的に増した経済=「ビット経済」と、以前本欄で紹介した呼び方にならえば、トランプ政権の米国は「アトム保護主義」、中国は「ビット保護主義」だ。

ふと思う。米国が中国のビット保護主義崩しに特化し、中国が米国のアトム保護主義崩しに特化すれば、両国と世界にとって良い結果をもたらすかもしれないと。こんなずさんな論考では、リカード先生に大目玉をくらうか。(手毬)

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