2019年8月18日(日)

一枚上手の相撲論(浅香山博之)

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台頭する押し相撲力士 自分の型を極めよ

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2017/9/8 6:30
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大相撲秋場所は10日、両国国技館で初日を迎える。ここ最近、幕内上位に台頭しているのが押し相撲の力士だ。御嶽海、北勝富士、阿武咲、貴景勝――。彼らはどうしたらもう一段上へ上り詰められるのか。押し相撲の基礎を見直してみたい。

四つ相撲の自分が現役のときは、一気に馬力で持っていく武双山に、愚直に当たって押す出島。突き押しで攻めが速く、引きもある千代大海もいれば、当たってからちょこまかと横に動いて、何をしてくるか分からない朝乃若ら、いろいろなタイプの押し相撲がいた。特に武双山が上がってきたときは「これは勝てない」と思ったほど馬力があり、捕まえて何とかしてやろうと思っても差せず、一番嫌なタイプだった。それぞれ押すことに徹底して、自分の押し相撲の型を持っていたと思う。

相手に合わせずがむしゃらに前へ

名古屋場所4日目の取組で貴景勝(右)との距離ができ、誘うように両手を広げる白鵬=共同

名古屋場所4日目の取組で貴景勝(右)との距離ができ、誘うように両手を広げる白鵬=共同

押し相撲の力士に遮二無二前に出てこられ、突かれて体を起こされたら、中に入ってくるのもうまいし、四つ相撲の力士は何もできない。逆に押し相撲の力士がすぐに組むようなら、やりやすい。押し相撲をやってきて、四つ相撲を取れといわれてもなかなかできるものではない。押し相撲の力士が中途半端にまわしを取ることを覚えたら、四つ相撲が相手だと、結局相手に合わせてしまうことになる。相手に合わせることなく、がむしゃらに前に出る。それが一番だ。勝負の世界だけあって、勝った、負けたというのは実力差もあるし、仕方ない面はある。だから、どれだけ自分の相撲を取りきれるかが大切だ。

その点で気になったのが、名古屋場所の白鵬―貴景勝戦。一通りの攻防があった後、互いに距離を取って見合った。そして横綱は両手を広げて構えて、貴景勝を呼び込むしぐさをした。お客さんは沸いたかもしれないが、貴景勝にしたらあの展開はおかしい。あのとき見合っていったい何をしたかったのか。しかも、そこから相手を張り倒していこうというなら、状況は変わってくるかもしれないけれど、普通に当たりにいって四つに組まれて寄り切られた。ただのぶつかり稽古になっていて、それでは勝てるわけがない。

相手と見合って、攻めが遅くなったり、休んだりすることは押し相撲からしたらあり得ない。それだけ相手に余裕を与えてしまっているということ。なかなか押せない横綱だからこそ、休まずに攻めて相手のバランスを崩し、押し出していかないと。21歳と若いんだから、なりふりかまわずガンガン前に出て相撲をとらなくてはいけないと思う。相手が誰であろうと、怖がらずに攻めていく。がむしゃらに攻めていれば、「足がそろったからはたかれた」「押すときに肘があいた」「手が上からいったから下からあてがわれた」とか反省ができる。そして次に生かしていけばいい。自分の相撲を取り切って負けたら、もっと力をつければいい。そうやって相撲を覚えていくものだ。特に若手は「絶対に引くものか」というくらいの気概を持って、がむしゃらに前に出ることだ。それが強くなるため、番付を上げるために最も大切なことだ。

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