かゆい所に水が届く 美容院の洗髪は自動で

2017/9/4 6:30
保存
共有
印刷
その他

美容室向け設備機器メーカーのタカラベルモントは、独自開発の自動シャンプー台を5割増産する。若手を中心に理美容室の人手不足が深刻になるなか、美容師の負担を軽くして効率性を高める手段として引き合いが増えていることに対応する。少子化などで今後も省力化の要望は高まるとみて積極的に拡販する。

シャンプー中に担当者は別の作業ができる

シャンプー中に担当者は別の作業ができる

自動シャンプー台は1993年に発売。これまでに1万1000台以上を販売したが、足元で需要が急増しているため、2017年度の生産を前年度より約5割増やす計画だ。

現在の「アクアフォルテ」は、客があお向けになって頭部を入れた後、カプセル状のフタを閉める。内部にはアーチ状に複数の水の吹き出し口が付いている。水流を頭の部位などで変化させるほか、独自の機構により「ゴシゴシ洗い」や「もみ洗い」といった洗い方を実現する。シャンプーからすすぎ、コンディショナーまでを自動でこなす。ミストが出るタイプもある。

現行機種は襟足や耳の裏といった部分まで洗える。価格は通常タイプが税別120万円。通常のシャンプー台に比べると高いが、「人手不足などを背景に今年の4~6月の受注は前年同期の1.5倍になった」(同社)という。

少子化に加えて労働環境の厳しなどもあり、理美容室の人手不足は深刻だ。16年度の理美容学校の入学者数は1万8千人強と03年に比べて約1万人減った。美容室で実際にシャンプーなどを担当することが多い若手が減り、美容師の負担は重くなる。

一方で、理美容室の数は微増状態が続いている。最近では低価格のカラー専門店なども拡大。全国展開している理美容室の地方の店舗を中心に人手の確保が難しくなっているという。

タカラベルモントは自動シャンプー台を導入すれば顧客一人にかかる時間が短くなるうえ、手が空いた時間に次の顧客の準備をできる点をアピール。1人で経営する個人店や大手チェーンなどを中心に営業を強化していく方針だ。

同社は美容室の椅子で約5割、シャンプー台は約7割の国内シェアを持つ。しかし、国内で椅子の販売などが伸び悩んだため、17年3月期の売上高は649億円と微減だった。自動シャンプー台や美容室向けのレジのシステムなどを拡販することで、業績を伸ばしたい考えだ。

(大阪経済部 淡海美帆)

[日経産業新聞 2017年9月4日付]

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]