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技術+農=豊作 アグリテックで農業刷新(熱撮西風)

経験と勘に頼らない新しい農業が西日本各地で産声を上げている。鍵は、農業と先端技術を融合した「アグリテック」だ。

ガタガタ、ガタガタ――。静かな夜の植物工場をロボットが動き回り、トマト畑が青色の光に包まれていく。愛媛大学と農機大手の井関農機が開発した植物の生育診断装置だ。ロボットは青色発光ダイオード(LED)を照射。植物が発する特殊な光を内蔵カメラで撮影し、強さの変化を調べて光合成機能を数値化する。データを分析すれば健康かどうかが分かる。「初心者でも安定した栽培ができる」と同大学の高山弘太郎准教授は話す。今年度中に農業大国オランダのパプリカ農家で実証実験を行う予定だ。

夜間、トマト畑で青い光を照射し生育状況を調べるロボット。農業と先端技術を融合したアグリテックが各地に広がっている(松山市の愛媛大学)=10分間露光、山本博文撮影
生育異常が現れる前に発見し対策を取れるため、収量増が見込める
パソコン上に計測データをグラフで表示

兵庫県丹波市の西山酒造場は神戸情報大学院大学の学生と共同で、ドローンを使った酒米作りの実験を始めた。空中から稲を撮影し画像解析して病虫害を発見、的確な農薬散布につなげる。

畜産現場も活用を進める。京都府畜産センターと肌着大手のグンゼは乳牛の暑さ対策にウエアラブル端末を開発した。牛に装着した布が乾燥するとセンサーが感知し、取り付けたチューブから水が流れ体温を下げる。給水回数などをコンピューター管理し、体調悪化で搾乳量が減るのを防ぐ。

各地に広がるアグリテック。日本の農業がスマートに進化し始めた。

(大阪写真部 山本博文、為広剛、浦田晃之介)

上空にドローンを飛ばし、人の目では見落としがちな田んぼ中心部にある病虫害も調べる(兵庫県丹波市)=ドローンで撮影
病虫害の被害が出た稲(写真上)。ドローンを活用して栽培の省力化を目指す。写真下は収穫された酒米「兵庫北錦」
ウエアラブル端末「ウシブル」を装着した乳牛が並ぶ(京都府綾部市の京都府畜産センター)=牛舎天井の隙間からアクションカメラで撮影
装着は簡単。来年度中の商品化を狙い実験が続く
バラ栽培を手がけるクニエダは1月、オランダ企業の環境制御システムを導入した温室を完成させた。温度や湿度、日射量などをコンピューターで24時間管理する(滋賀県守山市)
温室は全面ガラス張り。20品種を栽培し、年間400万本の出荷を目指す

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