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豊島逸夫の金のつぶやき

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北朝鮮ミサイル通過、有事の円買いは限界に

2017/8/29 13:31
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日本時間29日午前、北海道の上空を北朝鮮の放ったミサイルが通過した。地政学リスクに即反応するのが市場の経験則だが、ヘッジファンドの反応は薄い。筆者の周辺も、日本側は有事モードだが、ここ米ニューヨークは拍子抜けするほど動きが乏しい。米国内の関心は南部を襲った「前代未聞のテキサス大洪水」の報道一色だ。

北朝鮮のミサイル通過を受け、商品市場ではエネルギーセクターへの影響がまず注目されている。通貨取引でも、北朝鮮情勢の緊迫度がここまで高まってくると、北朝鮮と対峙する当事者、米国の通貨を買うのはためらわれるようだ。むしろ、市場では買い持ちしていた円のポジションをいつ巻き戻すか、そのタイミングを模索する動きが見られる。

だとすれば、一方的な円高は見込みにくい。為替は1ドル=108円台後半まで円高に振れたが、「円高加速」の切迫感はさほど感じられない。

そもそも、今の欧米為替相場はユーロを中心に動いている。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和の縮小に向かうとの観測は根強く、ユーロ買い・ドル売りが「旬のトレード」になっている。その余波が、ドル安・円高を誘発している構図だ。そこに、人種問題に端を発するトランプ政権の先行き不透明感が広がった。債務上限の引き上げ問題や米国債の格下げリスクと共振して、ドルの信認が低下している。

北朝鮮発の有事に伴う円買いのインパクトは限定的だ。一段と北朝鮮情勢が悪化すれば、円売りに転じる可能性を秘める。ここは冷静な見極めが必要であろう。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸's OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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