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50戦全勝で引退表明 最後もメイウェザーの思惑通り
スポーツライター 杉浦大介

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2017/8/29 6:30
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 異色のビッグイベントを制したのは、ボクシングで無敗のまま5階級制覇したフロイド・メイウェザー(米国)――。8月26日(日本時間27日)、米ネバダ州ラスベガスで行われた総合格闘技団体「UFC」のスター選手、コナー・マクレガー(アイルランド)とメイウェザーのノンタイトル戦は全米で爆発的な注目を集めた。マクレガーの健闘も目立ったものの、最後はメイウェザーが順当に10回TKO勝ちした。戦い終えてメイウェザーは改めて引退を表明している。現代の最強王者は何を求めてこの最後の一戦に臨んだのか。

 「マクレガー相手にアウトボクシングをしてカウンターを打ち続け、退屈なファイトで勝つのは簡単だとみんなわかっていたはずだ。そうはしたくなかった。最後に激しい試合をしたかったんだ」

いつになくアグレッシブ

 試合後の記者会見でそう述べた通り、今戦でのメイウェザーはいつになくアグレッシブだった。序盤はボクシングの教科書にはないマクレガーの変則スタイルに戸惑い、序盤の3回はやや劣勢。そんな流れを変えようと4回から自ら前に出て、相手のボディー、顔面に積極的にパンチを打ち込んでいった。

 「(メイウェザーは)落ち着いていた。もうそれほど速くなかったし、パワフルではないけれど、安定していたね」

 この日がボクシングでのデビュー戦になったマクレガーが認めた通り、メイウェザーの冷静さは際立った。経験、スキルではるかに上回るベテランにプレッシャーをかけられ、マクレガーは中盤には早くもスタミナ切れを起こす。

 こうなると、もう勝負があったも同然だった。案の定、9回に相手をふらつかせたメイウェザーは10回に連打をまとめて、TKO勝ちに持ち込んだ。

 「俺の49勝目、48勝目の内容は十分とは思われなかった。だから今回は真っ向勝負で、よいファイトにすると約束したんだ。判定にもつれ込ませないと宣言しておいたはずだ」

 試合後の本人のそんな言葉通り、これまでのメイウェザーは安全運転の試合が多く「リングのビジネスマン」と皮肉られてきた。そんな元王者も40歳になり、最後のファイトと公言して迎えた一戦で予告通りのKO勝ちを収めた。

 技術的にはハイレベルではなくとも、よりわかりやすかったこの日のファイトは会場のファンを喜ばせた。全米で常軌を逸したほどの話題を呼んだビッグイベントでのノックアウト劇は、特にいつもはボクシングを見ない人たちの記憶に刻み込まれたに違いない。

やはり全ては計算通り?

 もっとも、この勝利の後でも「メイウェザーがラストファイトでついにリスクを冒した」とまでは言い切れない。改めて振り返ってみれば、やはり全ては計算通りにも思えてくるからだ。

 「2年のブランクがあって、年齢も重ねた。今の俺は2年前と同じフロイド・メイウェザーではなかった。彼のパンチ力も悪くなかったよ。ただ、俺が前に出られないほどのパワーではなかった。おかげで前に出続けることができたんだ」

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