米企業トランプに反旗 女性CEO乱を呼ぶ

(7/7ページ)
2017/8/26 6:30
保存
共有
印刷
その他

大企業の多くが事業のグローバル化で工場を海外に移転させていった。同時に、米国内に温存した生産拠点では、安い賃金の移民層を受け入れて競争力を高めてきた。

そのあおりを受け、白人の中産階級やブルーカラーの労働者の雇用機会は脅かされた。キリスト教と英語を中核とする文化・価値観も揺らぐとの懸念も広がっていた。

■バノン氏がリーダーに

そうした不安を感じる白人層のオピニオンリーダー的な存在にバノン氏がなりそうだ。グローバル展開する企業のCEOがいつバノン氏の標的になってもおかしくない。

「メキシコとの国境の壁は建設する。北米自由貿易協定(NAFTA)もどこかの時点で終わらせることになるだろう」

トランプ氏は22日にアリゾナ州で開催した集会で自身の原点ともいうべき排他的な政策を改めて持ち出し、それを実行することを強調した。

人種問題で政権基盤が揺らぐなか、トランプ氏としては中核の白人労働者の支持を固めておきたいところだ。同時に白人労働者に影響力のあるバノン氏の支持もつなぎ留めておこうとする思惑も見え隠れする。

バノン氏退任で国家経済会議(NEC)委員長のコーン氏らの発言力が高まり、現実的な政策に転換するとの見方もあったが、不透明感が漂う。

「トランプ氏の言動は批判すべきだが、評議会は続けるべきだ」

16日午前、トランプ氏の助言機関「戦略・政策評議会」の電話会議でメンバーの多くが辞任や解散を主張した中、あえて評議会の存在を主張した人物がいた。ボーイングの前CEO、ジェームス・マックナーニ氏だ。マックナーニ氏はトランプ政権が「親ビジネス」であり続ける重要性を強調したという。

しかし、助言機関は解散した。インフラ投資の会議の設立も撤回されるなど、トランプ氏の産業界離れも進みかねない。

米国を代表する企業のCEOが集団で大統領から離反するという異例の事態を迎えた米産業界。「トランプ・バノン」のコンビが続けば、政権との関係修復が困難になるのは間違いない。

(ニューヨーク=稲井創一)

[日経産業新聞 8月23、24、25日付]

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]