米企業トランプに反旗 女性CEO乱を呼ぶ

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2017/8/26 6:30
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医薬・生活用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、生活用具大手スリーエム(3M)、大手食品キャンベル・スープなど消費財を扱う企業群は、例外なくツイッターやフェイスブックなどのSNS(交流サイト)を通じた不買運動の脅威にさらされた。製造業評議会でまずメンバーの辞任が相次いだのはこのためだ。

現在の米国企業のCEOはいつの時代にも増して、人種、年齢、国籍、性的少数者(LGBT)などの差別に無頓着では務まらない。

「男女の役割を固定的にとらえる有害な考え方を職場に広めようと内規に違反した」

7日、グーグルのスンダル・ピチャイCEOは「女性は生まれつき技術者に向いていない」など差別的な文書を公開して物議を醸した男性社員を解雇した。その男性社員に対し、大半の従業員は不快感を示しており、社内外に波紋が広がっていたからだ。

ライドシェア大手のウーバーの創業者のトラビス・カラニック氏は、性差別を放置するかのような言動が厳しい批判の的となり、CEOの座を追われた。革新企業ウーバーのブランドイメージは地に落ちている。

トランプ氏は米国の国力の源泉である多様性(ダイバーシティー)の文化を否定するような行動をとってきた。7月26日には、トランスジェンダー(出生時の性と自身の認識する性が一致しない人)の軍隊への入隊を認めないと表明した。

そうした状況だからこそ、多様性の文化を確保し続ける集団である企業の重要性が高まっていると言える。米国社会がCSRの実行力にこれまで以上に厳しい目を注ぐのもこのためだ。

「米国の企業経営者は社会悪に対してリスクを取った」。米ハーバード経営大学院のイーサン・ルーエン助教授は米紙で、辞任の意思を示し評議会を崩壊に追い込んだCEOは、株主に報いる責任も忘れてはならないと指摘する。CEOの反乱は、産業界が期待する経済政策を実行する意欲をトランプ政権から奪いかねないからだ。

「我々の意見を政策に反映させるためにトランプ政権に協力し続ける」(デル・テクノロジーズのマイケル・デルCEO)。政権と協力関係を保つ方が顧客や従業員に得策だと判断するCEOもいた。トランプ離れで背負う責任もCEOにずしりとのしかかる。

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