ドローン測量向けソフトの「価格破壊」

2017/8/23 23:00
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日経コンストラクション

ドローンによる写真測量サービスを手掛けるテラドローン(東京・渋谷)は2017年8月22日、3次元点群データの生成や土量計算などを一括して行える画像処理ソフト「Terra Mapper」の販売を始めた。パソコンにインストールして使用する「デスクトップ版」の価格は約45万円。従来製品に比べて価格を大幅に安く設定し、中小規模の建設会社などにも導入しやすくしたのが特徴だ。

Terra Mapperの「デスクトップ版」で土量を計算する様子(資料:テラドローン)

Terra Mapperの「デスクトップ版」で土量を計算する様子(資料:テラドローン)

土工事の現場でドローンを飛ばして写真測量をする場合、機体に搭載したデジタルカメラで計測対象をくまなく撮影し、SfM(Structure from Motion)と呼ぶ手法を用いて写真同士の対応関係を分析。対象物の3次元点群データやオルソ画像を生成する。得られたデータを解析すれば、切り土や盛り土の量を把握したり、断面図を簡単に作成したりできる。

ドローンによる写真測量については、i-Constructionを推進する国土交通省が2016年3月に技術基準を整備するなど、建設現場での活用が広がっている。しかし、普及には課題もある。

3次元点群データの生成やデータの解析にはそれぞれ専用のソフトウエアが必要になるうえ、高性能なコンピューターを用意しなければならず、初期導入費が300万~400万円ほどかかる。そのため、導入に二の足を踏む建設会社や測量会社は少なくない。3次元点群データの生成に用いるソフトウエアは海外メーカーの製品なので、使い方を覚えるのが難しいのも理由の1つだ。

■クラウド版は月額5万円から

テラドローンが開発したTerra Mapperでは、3次元点群データの生成から解析までの一連の作業を1つのソフトウエアで済ませられる。一般的なパソコンで作動するデスクトップ版の場合、点群の生成や不要な点の自動除去のほか、縦横断図の作成や土量計算、TIN(三次元のデータを三角形の集合で表現したもの)データの作成が簡単な操作でできる。

価格は約45万円。同社の徳重徹社長は「機体の購入費を合わせても100万円以下に抑えられる。これからドローンによる写真測量を始めたい人にとって、使い勝手がいい」と説明する。

Terra Mapperの「クラウド版」の画面(資料:テラドローン)

Terra Mapperの「クラウド版」の画面(資料:テラドローン)

デスクトップ版のほか、データの処理や管理をウェブサイト上でこなせる「クラウド版」も用意した。利用料金は月額5万円からだ。インターネットに接続できる環境さえあれば、土量の変化などのデータをスマートフォンやパソコンなどでいつでも確認できる。本社と現場の情報共有などに役立ててもらう。

デスクトップ版に比べると解析機能に制限はあるものの、生成したデータを様々な形式のファイルとして出力し、他のソフトウエアに読み込んで詳細な解析をすることも可能だ。

テラドローンは全国に7つの拠点を置き、ドローンによる写真測量やレーザー計測を1カ月に30件程度こなすベンチャー企業。オーストラリアでも事業を展開している。同社の徳重社長はTerra Mapperについて、「1年間で1000件の導入が目標。世界中で売っていきたい」と意気込む。

(日経コンストラクション 木村駿)

[日経コンストラクションWeb版 2017年8月22日掲載]

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