2017年11月18日(土)
トップ > 特集 > 関西発 > 社会 > 記事

関西発

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

11月6日の電子版のリニューアルに伴い、特集「関西発」は「地域」セクションに移りました。「関西発」のコンテンツは「地域」セクションの「関西」でご覧頂けます。

甲子園、団塊胸キュン 高校野球観客10年連続80万人突破へ
退職後気軽に来場「熱気飽きない」

2017/8/23 14:32
保存
共有
印刷
その他

 甲子園球場で23日に今年の優勝校が決まる夏の全国高校野球選手権大会の人気が再燃している。準決勝までの観客数は約78万4千人に上り、10年連続での80万人突破は確実だ。専門家は「野球少年だった団塊世代らシニア層の来場が後押ししている」と分析。球児らに熱い視線が注がれながら、大会は来年、100回の節目を迎える。

決勝の試合開始を待つ高校野球ファン(23日午前、兵庫県西宮市の甲子園球場)

 この日の決勝は、ともに初優勝を目指す広陵(広島)―花咲徳栄(埼玉)の顔合わせで、甲子園球場は午前10時半に開門。入場口前で早朝から並んだファンらは、うちわやタオルを手にスタンド席へとなだれ込んだ。

 「以前は毎夏1回訪れるのが精いっぱいだった」。兵庫県尼崎市の仲谷芳樹さん(69)は、この日で今夏7回目の観戦。東京都内の銀行を4年前に退職し、地元の関西に戻った。甲子園は子供のころに祖父と訪れた思い出の場所で「時間ができ、たくさん来られるようになってありがたい」と声を弾ませる。

 兵庫県西宮市の大村幸喜さん(70)は6年前に建設会社を退職後、毎夏観戦に足を運んでいる。「今は気兼ねなく観戦できる。高校生の一生懸命な姿に胸を打たれ、球場の熱気は何度感じても飽きない」と話した。

 日本高野連によると、総観客数は「やまびこ打線」の徳島・池田や桑田真澄、清原和博両選手の「KKコンビ」のPL学園などの活躍に沸いた1980年代に80万人台で推移。90年に過去最高の92万9千人を記録した。

 しかし、Jリーグが開幕した93年以降はサッカー人気などに押されて徐々に減少、96年には64万5千人まで落ち込んだ。

 再び人気が上昇したのは2000年以降。早稲田実業・斎藤佑樹、駒大苫小牧・田中将大両投手の決勝での投げ合い(06年)などで、08年から昨年まで連続で80万人を超え、9年連続の記録は統計が残る58年以降で初めてという。

 観客増の要因について、アマチュア野球に詳しいスポーツジャーナリストの手束仁さんは「少年時代から人気スポーツといえば野球、という団塊世代(47~49年生まれ)が定年退職し、自由な時間が増えた。こうした世代を中心に、シニア層が足を運んでいることが大きいのではないか」とみる。

 少子化が進むなか、野球に打ち込む生徒も多い。全国の高校野球部員数は17年時点で16万1573人。前年から4%減ったが、04年以降は16万人以上を維持する。若年層人口が圧倒的に多かった97年(約14万人)、87年(約12万7千人)と比べると、割合として野球人口は増えていると言えそうだ。

 関係者の話によると、近年、入部後に辞める生徒が減り、部員数の安定を支えているという。1年生が3年生に進級した時点で部に残っている割合を表す高野連の「継続率」をみると、今年は過去最高の90.9%だった。

 関東地方にある伝統校の野球部指導者は「かつての『スパルタ指導』が少なくなり、他校との練習試合で控え選手の出場機会も増やすなど、多くの部員が活躍できる場を設けている」と話し、指導法の変化も部員の定着を後押ししているとみられる。

■来年100回大会、炎天下で暑さ対策課題に 来年で100回を数える夏の甲子園大会だが、炎天下の開催が選手や観客の体調に与える影響への懸念が消えず、主催者側は暑さ対策を含めた対応を求められている。

 夏の全国高校野球選手権大会は、地方予選を含めると、6~8月に開かれており、今年も各地で応援の生徒が熱中症で搬送されるケースが相次いだ。甲子園でも選手が試合中に目まいや手足のしびれなどを訴え、病院に運ばれるアクシデントが起きた。

 気象庁によると、甲子園に近い大阪市と神戸市の最近の8月の平均気温は、大会が始まった約100年前から2度ほど上昇。日本体育協会の指針は、35度以上の下での運動の原則中止を呼びかけており、主催者側も甲子園のベンチに冷房を入れるといった対策を進めている。

 スポーツ評論家の玉木正之さんは「暑さが厳しさを増すなか、対策には限界がある。大きな事故が起きる前に、主催者側は開催時期や試合開始時間をずらしたり、負担の大きい投手に球数制限を設けるなど、抜本的な対応を検討すべきだ」と指摘している。

関西発をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

今なら有料会員限定記事がすべて読めます!
電子版10日間無料お試しキャンペーンは11月20日まで!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

電子版トップ特集トップ


日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報