汁なし担々麺に悶絶 伏兵はカツオたたきの生ニンニク
辛いもん(5)

前回は、メキシコやタイから、激辛という爆弾を積んだ爆撃機が何機も飛来した。そして今回は、米国からステルス戦闘機が急襲!
家の近所のピザ屋にもこのBuffalo Wingsがあります。普通はマイルド、ミディアム、ホットという順番に辛くなるのですが、ここはさらにエクストラ・ホット、スイサイド(自殺的)、ホミサイド(殺人的)と続きます。
主人(辛さに対しては凡人)はミディアムをオーダーします。シンガポールで辛い物には鍛えられている私は、常にスイサイドをオーダーするのですが、友人と一緒にホミサイドをトライしてみました。
はっきり言って、人生でこれほど辛い物は食べたことがありません。口の中は一瞬にしてマヒし、何を飲んでもその辛さを抑えることはできませんでした。涙を流しながら一本食べ終えたら30分は休憩が必要。ただ30分ぐらいすると、またその刺激を求めて食べては休憩を繰り返し。1人4本食べたところでギブアップしました。次の日に全員お腹をくだしたことは言うまでもありません(お名前ありません)

攻撃態勢に入ったところで自爆。ふー。
国内にもオソルベキものが存在する。
「ヤツ」の名は「アサリ麺」! 先週、このサイトで報告された元祖台湾ラーメンを謳う名古屋の某店で、ヤツは沈黙を守りながらブレイクの時を待っている!!!
ヤツは名古屋の地で知る人ぞ知る存在である…4年前、「ぜひ食べさせたいものがある」という妹の謀略に乗せられた私の面前に、ヤツはやって来た。湯麺の上のアサリ炒めの芳香が食欲を刺激し、私はヤツの罠に簡単に落ちてしまった。「まずはアサリの旨みをたっぷりと含んでいるであろうスープから…」と一口スープを飲んだ瞬間、鶏ガラスープのコクとアサリの旨みを閉じ込めたスープの味を一蹴してしまうほどの強烈な「辛味」が炸裂! その辛味ですべての味覚は吹き飛んだ。そして、のどを通る瞬間に粘膜をけいれんさせるハイパーパワー。飲み込もうとしてもヤツの攻撃は緩められることはなく、炸裂の度合いを増していた。結果「むせた」…。
「男は辛口!」を旨としていた当時の連合いを伴って再度この店に行き、同様に「すっごぉ~く食べさせたい裏メニューがあるのぉ~♪」と言って「ヤツ」をオーダーしてみた。結果、0.3秒で「むせた」…(西荻の怒髪天娘さん)

実は近々名古屋に行く予定がある。そしてこれを食べることになっているのである。自傷行為であることはわかっているが、シゴトなのである。くーっ。
デスク うらやましい。素敵なお仕事。

こんなことで挫けるわけにはいきません。魔手の届かぬ海の向こう、四国松山へ懲りずに遠征しました。そこで、以前遭遇した経験のあるユニークな「清まる」さんで「激辛花火カツ定食」の画像をゲットしてまいりました。

ところでこのお店、辛い物だけではありません。メニューに書かれたような…まあ、色々あります。私が行った時も、学生さんのグループが「かつパフェ」という豪傑メニューを注文し、数人でトライしておりました(大阪の原さん)
知ってるよー、松山のその店。前を通ったが入らなかった。あのときは今治の土井中さんに銘店居酒屋に連れていってもらってご機嫌だったんだな。
んっ、どうしたのチューバッカ? ああ、ファルコン号からウーロンハイ持ってきてくれたの? ありがとね。
同じく四国の話。

高知名物「カツオのタタキ」の薬味は、おろしショウガではなくスライスしたニンニクが普通です。生のニンニクは結構辛くて子供はほとんど食べません。しかし大人はカツオの刺身やタタキ1切れにつき1片のニンニクを添えて食べるのが一般的です。
高知では営業職や接客業の従事者でも「翌日のニンニク臭い!」を深く考えずカツオのタタキや焼肉を平然と平らげるのが当たり前の光景です(高知の恒石さん)

小6のとき、戦友を訪ねる父に連れられて高知に行った。ペギー葉山の「南国土佐を後にして」が流れていた。戦友が庭で藁を燃やしてカツオのタタキを作ってくれた。ニンニクが添えられていたかどうかは覚えていないが、添えられていたとしても口にしなかったと思う。なぜなら父はニンニクが大嫌いだったからである。
デスク 焼肉屋さんでよく見かけますよね。生ニンニクのスライス。あれ、加熱しないで食べるとキョーレツに辛いですよね。火を通すとあんなに甘くなるのに…。
C-3PO、ウーロンハイお代わり! ファルコン号にはモツ煮込みはないの?
デスク真っ黒な顔(これは本当!)で C-3PO、「スパイス」をたっぷり効かせてお出しして。
デスクへの招待状。

最初は「スタミナカレー、生、5辛」がお勧めです。店名は「横浜」「スタミナカレー」で検索すればすぐに出てくる「○ーグ」です(久保さん)
デスクにっこり うーん、そそられますねぇ。横浜に行った際にはぜひ挑戦しようと思います。
これもデスク宛。

正月には北海道(函館)からイカ製品をお取り寄せするのですが、毎年購入するのが「三升」漬け。しょうゆを1升、米麹を1升、なんばんを1升合わせたタレでつけ込んだイカが「三升漬け」です。カミさんは自家製の三升漬けをいつも食べていたばかりか、最後に残った辛いタレを、あつあつの白飯にかけて喰らっていた(今も好き)と申しております。
ぜひ、辛味党の広報であるデスク殿にはご賞味いただき悶絶していただきたいと存じます。私も三升漬けは好きですがタレかけご飯は悶絶します。
写真は「中国家庭料理 楊 池袋店」にて採取しました本格四川の汁なし担々麺、まぜた担々麺、麻婆豆腐(激辛。激震級)の写真です。激辛日本振興会筆頭与力のデスクにおかれましては「仕事は放棄して池袋に走れ!」でございます(ぎずもさん)

デスク 神田にも汁なし担々麺の人気店ができました。きょうの仕事はこれでおしまい! レッツ悶絶!
(特別編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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