2019年1月19日(土)

しわ取り化粧品、最高益の立役者 資生堂とポーラ

2017/8/18 6:30
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資生堂とポーラ・オルビスホールディングス(HD)が相次いで発売したしわ改善効果のある化粧品の売れ行きが好調だ。いずれも「しわを改善する」などと表現することを承認されており、中高年女性らへのアピールに成功している。両社の好業績のけん引役にもなっており、カネボウ化粧品の「白斑問題」の発生以降、停滞気味だった薬用化粧品市場がにわかに活気づいている。

資生堂のしわ改善効果のあるスキンケア商品の人気は高い(都内のドラッグストア)

資生堂のしわ改善効果のあるスキンケア商品の人気は高い(都内のドラッグストア)

資生堂が発表した2017年上半期(1~6月期)の決算は、同期として売上高と営業利益がともに過去最高を更新した。なかでも営業利益が前年同期比61%増となった国内事業で最大のヒットが6月発売の「エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームS」(約6千円)だ。

発売後1カ月で約68万個を出荷。主販路である量販店では「スキンケアの新商品として過去最高の出足」(大手ドラッグストア)という。年内の販売目標は当初、100万個に設定したが、120万個以上になる見通し。「新しい市場を創造する視点で取り組んでいる。顧客から多くの共感が得られている」と魚谷雅彦社長も胸を張る。

スキンケアなど薬用化粧品の機能として「小じわを隠す」「肌に張りを与える」などと表現することは珍しくない。これに対して、新商品は資生堂が長く基礎研究を続けてきた「純粋レチノール」を配合。9週間の使用で深いしわを改善する効果を確認した。

厚生労働省からしわ改善効果の承認も得た。これにより、商品のパッケージや店頭で効果を直接的にアピールできるようになったことも、現在の人気につながった。年内には同様の効果を持つ第2弾の商品も投入する予定だ。

店頭で資生堂の商品に勝るとも劣らない人気を示すのが、ポーラ・オルビスHDが1月に発売した「リンクルショット メディカル セラム」だ。しわの原因となる好中球エラスターゼの活動を抑制する「ニールワン」という独自成分を配合。資生堂より一足早く、厚労省から承認を得た。

販売チャネルがドラッグストア主体の資生堂の商品に対し、リンクルショットは百貨店向け。価格は1万6200円で1グラム当たりの価格は資生堂商品の約2倍だが、「すでに化粧品に幅広く用いられるレチノールに対してニールワンは全くの新成分。革新性はより高い」(アナリスト)という指摘もある。

この新しさが富裕層の心をつかみ、当初の初年度売り上げ目標100億円に対し、発売後6カ月の販売実績は約87億円に達した。藤井彰取締役は「これまでポーラ商品を使用してこなかった新規顧客も取り込んでいる。他の商品と同時購入してもらう比率も高い」と自信を見せる。ポーラ・オルビスHDも17年1~6月期に過去最高益を更新した。

クレディ・スイス証券の森将司氏は「両社の商品は価格帯も販売チャネルも異なりすみ分けが可能。双方が市場を活性化する相乗効果を期待できる」とみる。

薬用化粧品は美白が主戦場だったが、13年にカネボウ製の美容液を使用した消費者の間で肌がまだらに白くなる白斑問題が発生。厚労省による薬事認可は厳格化され、大型ヒット商品は途絶えた。今回、大手2社がしわ軽減という新機軸を打ち出したことで、再び市場が活気づいている。

16年の国内化粧品出荷額は前年比1%増の1兆5250億円となり、19年ぶりに過去最高を更新した。薬用化粧品分野ではコーセーなども新商品の開発を進めているもよう。17年もさらなる成長を期待できそうだ。

(企業報道部 松井基一、柴田奈々)

[日経産業新聞 2017年8月18日付]

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