2018年11月14日(水)
トップ > 特集 > 関西発 > ビジネス > 記事

関西発

フォローする

11月6日の電子版のリニューアルに伴い、特集「関西発」は「地域」セクションに移りました。「関西発」のコンテンツは「地域」セクションの「関西」でご覧頂けます。

「動かしやすく頑強な門扉」応緑(関西企業のチカラ)
100メートル級、手動でもスムーズ

2017/8/15 2:30
保存
共有
印刷
その他

学校や工場、空港に欠かせない門扉。テロや事件に備えるための頑強さは必須だが、停電や電動機の故障が生じると、開閉に重機が必要になるケースも多い。頑丈でありながらも軽く動かせる――。そんな門扉を生み出したのが兵庫県姫路市に本社を置く応緑だ。

勾配があっても手動でスムーズに稼働する応緑の門扉(祇園辻利本社、京都市)

勾配があっても手動でスムーズに稼働する応緑の門扉(祇園辻利本社、京都市)

6月下旬、国土交通省が実施した三沢空港(青森県三沢市)の電動ゲートの入札。応じたのは応緑1社だった。

三沢空港の電動ゲートは民間航空地域と米軍基地の境界に設置し、全長110メートル級に及ぶ。仕様書では停電時に手動で稼働できることが条件とされた。同社は2012年に岩国錦帯橋空港(山口県岩国市)に同様の精度を持つ全長103メートル級のゲートを設置した実績があり、自信を持って名乗りを上げた。

「手で軽く動かせて、しかも地中に埋め込んだアンカーごと引き抜かれないかぎり倒れない」。河越祥郎社長は胸を張る。頑丈さと操作性を実現するのは高い技術だ。

例えば耐久性を確保するためのメッキ加工。高温で溶かした亜鉛に鋼材を浸すため、いったんひずみが生じる。それを完成形の2ミリメートル以内の誤差に収まるよう戻し、部品を取り付ける段階で調整する。レールとの摩擦抵抗を抑える独自のノウハウも蓄積してきた。

もとはゼネコンの下請けで家庭向けなどに門扉やドアを広く製造していた。バブル崩壊で受注が激減し、社運を賭けて門扉を主事業に据えた。

1998年、川崎重工業明石工場(兵庫県明石市)の全長24メートルの門扉を製造したのが飛躍のきっかけになった。学校やオフィスなど多方面で実績を積み、宇治茶専門店の祇園辻利(京都市)の本社向けでは、勾配がある場所でも手動でスムーズに開閉できる門扉を取り付けた。

生産性向上と量産化のため、工場にロボットを導入することを検討中だ。既に設置されている他社製品を改良するメンテナンス事業も今後強化する。

取引先拡大に向けて、18年には東京にも拠点を置く。従業員数を5年以内に倍増させ、売上高10億円を目指す。

(神戸支社 下前俊輔)=随時掲載

〈トップの一言〉車両並みの精度 一世風靡めざす

「たかが門扉、されど門扉。うちは車両並みの精度で作っている」と河越社長は語る。顧客の要求に応えたいという純粋な気持ちから技術革新が生まれるというのが持論で、社員研修では「欲得を放って自分を超えた仕事をしよう」と説く。

大型案件に挑戦し始めたころは社内から「会社をつぶす気か」と猛反発を受けた。最近は社員も自信を付け、新たなアイデアを提案されることも増えてきた、と喜ぶ。「もっと軽くて丈夫な門扉を作り一世を風靡したい」という。

〈会社概要〉
▽創  業 1972年
▽本  社 兵庫県姫路市京町1の11
▽事業内容 門扉製造とリフォーム
▽売上高 3億4000万円(2017年4月期)
▽従業員数 31人

関西発をMyニュースでまとめ読み
フォローする

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ

電子版トップ特集トップ


日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報