学生が厨房に立つ学食 帝塚山学院大(キャンパス新景)
「内製化」した学生食堂があると聞き、帝塚山学院大泉ヶ丘キャンパス(堺市)を訪ねた。厨房をのぞくと、男女4人の学生がそろいの制服を着て忙しそうに動き回っていた。「日替わりはピーマンの肉詰めです」と丁寧にメニューを紹介してくれる。

同大学は今年4月に学生食堂を一新した。メニューを増やしたほか、民間企業に委託していた調理やカウンター業務を全て学内の人材でまかなうように。管理栄養士資格を持つ教員らが献立を考案し、人間科学部食物栄養学科の学生らが運営に携わる。
カウンターで配膳していた4年生、奥谷梨花子さん(21)は、社員食堂などに人員を派遣する企業に内定している。「ランチタイムはお客さんに3秒で渡さないと回らない。現場の忙しさを体感できるのは有意義」と汗を拭う。
平日の午前9時から午後3時まで、約30人の学生が交代で厨房に立つ。時給1000円のアルバイト代が出るが、外注コストが減り経営状況は良好という。
同学科の田中俊治教授(69)は「今後は献立も学生に任せ、実習の一環として単位認定も考えている」。学業とバイトが一体になることで、学生の目的意識も向上しそうだ。