2017年11月23日(木)

1億円超の邸宅建設 VRで「イメージギャップ」解消

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2017/9/6 6:30
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日経アーキテクチュア

 「こんなはずじゃなかった」――。建て主からのそんな声を減らすためのコミュニケーションツールとして、VR(仮想現実)を活用する動きが活発になっている。

 設計事務所のフリーダムアーキテクツデザイン(東京・中央)は2017年7月26日から、富裕層向けの住宅設計にVRを導入するサービス「社長の邸宅」を開始。建て主は3次元で作成した設計段階の住宅を、自由に歩きながら確認することができる。

VR体験のイメージ。ゴーグル型のヘッドマウントディスプレー「HTC Vive」を装着してプランを体感してもらう。VRの体験者が見ている映像は、打ち合わせの同席者もディスプレー上で確認することができる(資料:フリーダムアーキテクツデザイン)

VR体験のイメージ。ゴーグル型のヘッドマウントディスプレー「HTC Vive」を装着してプランを体感してもらう。VRの体験者が見ている映像は、打ち合わせの同席者もディスプレー上で確認することができる(資料:フリーダムアーキテクツデザイン)

7月26日に都内で開いた会見で、「社長の邸宅」について説明するフリーダムアーキテクツデザインの鐘撞正也代表(写真:日経アーキテクチュア)

7月26日に都内で開いた会見で、「社長の邸宅」について説明するフリーダムアーキテクツデザインの鐘撞正也代表(写真:日経アーキテクチュア)

 同サービスのポイントは、設計料を含む建設費が1億円以上の住宅を対象とした点だ。事前打ち合わせで、建て主が求める規模や予算、競合の有無などをヒアリングし、VRを使うかどうかを決める。

 フリーダムアーキテクツデザインの鐘撞正也代表は、1億円以上で線引きした理由を次のように説明する。「VRを採用したプレゼンテーションには、数百万円を要することも少なくない。それでもVRを活用するのは、成約率を引き上げられるからだ。建設費1億円以上の住宅における成約率は、これまでの2倍に当たる30%を見込んでいる」

■BIMとVRを連携したワークフローを確立

 社長の邸宅のサービスを開始するに当たり、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング:コンピューターで柱や壁などの3D(3次元)モデルを組み合わせて仮想のビルを建てて設計と管理に役立てるシステム)とVRを連動させたワークフローを構築した。具体的には、BIMソフトウェア「Revit(レビット)」でモデル化したデータを、クラウドサービス「LIVE(ライブ)」にアップロードしてVRデータに変換する。

VRによる日射シミュレーションのイメージ。時刻ごとの日射などを確認することも可能だ。左は、リビングを吹き抜けとしたプランのイメージ。右は、同じ平面で吹き抜けを設けないもののイメージ(資料:フリーダムアーキテクツデザイン)

VRによる日射シミュレーションのイメージ。時刻ごとの日射などを確認することも可能だ。左は、リビングを吹き抜けとしたプランのイメージ。右は、同じ平面で吹き抜けを設けないもののイメージ(資料:フリーダムアーキテクツデザイン)

 さらに、3Dゲームエンジン「Stingray(スティングレー)」で水のゆらぎや草木のそよぎといったアニメーションを追加するなどして、リアル感を高める。プレゼン時は、ゴーグル型のヘッドマウントディスプレー(HMD)「HTC Vive」を装着してプランを体感してもらう。3次元でのイメージを確認しながら設計者と打ち合わせることが可能だ。

実際の住宅とそのVRによるシミュレーションの比較イメージ(資料:フリーダムアーキテクツデザイン)

実際の住宅とそのVRによるシミュレーションの比較イメージ(資料:フリーダムアーキテクツデザイン)

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