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波乱のトレード期限 ダルビッシュや青木が移籍
スポーツライター 杉浦大介

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2017/8/1 15:50
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波乱のトレード期限――。7月31日の米東部時間午後4時(日本時間8月1日午前5時)、米大リーグはウエーバーを経ずにトレードができる最終期限を迎えた。1988年以来の"世界一"を目指すドジャースはレンジャーズからダルビッシュ有を獲得。さらにヤンキースもメジャー通算44勝の右腕ソニー・グレイを手に入れ、戦力アップを狙った。さらにア・リーグ西地区首位のアストロズが青木宣親をブルージェイズに放出するなど、今年はトップチームが激しく動いた。日本人選手が所属するチームを軸に、トレード期限の目立った移籍劇をまとめた。

ドジャース、先発投手求める

ダルビッシュのドジャース移籍が報道されたのは31日午後4時を少し回ったところだった。MLB(米大リーグ機構)のサイトによると、ドジャース内で4番目の位置づけに当たるウィリー・コルホーンを含む、3人のプロスペクト(有望株)とのトレード。事前に予想されたものではあったが、それでも決定時のインパクトは大きかった。

今季のドジャースは7月末時点で74勝31敗と圧倒的な強さを誇示し、すでに2位に14ゲーム差をつけて独走状態。ただ、メジャー最高の左腕と称されるクレイトン・カーショーが7月23日に腰の痛みを訴え、故障者リスト入りしてしまった。エースの復帰がいつになるかは不透明な状況で、代わりに大黒柱の役割が務められる先発投手が必要。そこで白羽の矢が立ったのが、レンジャーズとの契約最終年を迎えたダルビッシュだった。

今季のダルビッシュは22試合に先発し、通算137イニングを投げて6勝9敗、防御率4.01とやや低調。しかし、6月12日までは防御率3.03で、自己4度目のオールスターにも選ばれた。打者に優位な球場として知られる本拠地のアーリントン以外の球場で登板した際は、シーズン平均の防御率は2.49と上質だ。DH制のないナ・リーグで、しかも投手有利のドジャースタジアムでは相手チームを圧倒するような投球も可能だろう。

カーショー、アレックス・ウッド、リッチ・ヒル、前田健太という先発陣に、ダルビッシュが加わる意味は大きい。特にプレーオフでは、すでに調子を取り戻しているはずのカーショーとダルビッシュが二枚看板を形成することが有力。タイプの違う左右の両輪は、ナ・リーグのライバルチームにとって脅威の存在となるだろう。これまでポストシーズンの実績は乏しかったダルビッシュにとっても、今秋はついにプレーオフで輝きを放つ絶好機が訪れたといっていい。

ヤンキース、積極補強に動く

今トレード期限を前に最も激しく動いたのはヤンキースだった。7月18日にホワイトソックスとのトレードでデビッド・ロバートソン、トミー・ケンリー、トッド・フレイジャーを獲得すると、30日には2年連続で10勝以上の左腕ハイメ・ガルシアを獲得。そして31日のトレード期限ギリギリには、アスレチックスで2014、15年に2年連続で14勝を挙げた27歳の右腕グレイを獲得して締めくくった。

近年は緊縮財政を続け、資金力にものをいわせて有力選手を手に入れ、「悪の帝国」と呼ばれた当時のイメージは薄まっていた。しかし、今夏の一連のトレードは故ジョージ・スタインブレナー氏がオーナーだったころの積極補強をほうふつとさせたのも事実である。

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