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フルスイングの余韻(山崎武司)

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横綱白鵬が金字塔 野球選手にも通じる記録の話

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2017/7/30 6:30
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中学時代には相撲をかじっていた。角界の親方たちと交流もある。毎年7月、大相撲名古屋場所を見にいくのが楽しみになっている。今年は13日目を観戦した。横綱白鵬が大関高安を破って通算1048勝目を挙げ、歴代最多勝利を更新した場面に立ち会えた。

名古屋場所13日目を観戦し、白鵬が歴代最多勝利を更新した場面に立ち会えた=共同

名古屋場所13日目を観戦し、白鵬が歴代最多勝利を更新した場面に立ち会えた=共同

しばらく前、白鵬と同じ宮城野部屋の石浦とテレビで共演した縁で、場所前、稽古を見にいった。初めて見た白鵬の稽古は準備の長さに驚いた。土俵に降りてから相撲を取るまでが長い。四股やテッポウ、すり足などでたっぷり汗をかく。話には聞いていたが、これを毎日続けるのは並大抵のことではない。

野球界でもイチロー(マーリンズ)は毎日、独自のルーティンを守って試合に臨むという。長く第一線で活躍する選手には共通する要素なのかもしれない。これはできそうでできない。野球でも練習が始まれば、すぐに打ちたいのが人情だ。僕がダッシュなど自分で決めた課題を日々こなすようになったのは晩年のこと。白鵬は同じルーティンを若い頃から続けているというのだから、つくづく感心した。

実のところ、白鵬にはあまりいい印象を持っていなかった。近年伝わってくる言動には疑問に思うものが多かったからだ。けれども実際に会った彼は気遣いができる男で、僕にも向こうから話しかけてきてくれた。この日の稽古にはリオデジャネイロ五輪柔道100キロ超級で銀メダルを取った原沢久喜選手たちも参加していたのだが、白鵬は彼らにも気軽に胸を出していて好感がもてた。本来は「いいヤツ」の白鵬にかたくなな態度を取らせてきたのは、僕たちファンの責任もあるのだろう。

数字残さないと飯が食えぬ

白鵬にとって記録は大きなモチベーションになってきたという。彼のような大記録はめったに出ないが、野球にも記録や数字はついて回る。評価や給料も数字に基づいて決まる以上、数字を残さないと飯が食えないという現実もある。ヤクルトやロッテのようにペナントレースから脱落してしまったチームの選手も、個人レベルでは少しでもよい成績を残そうと必死にプレーしている。

数字をどこまで気にするかは人によっても違う。僕は数字と付き合うとき、モチベーションを高め、よりよいパフォーマンスを引き出してくれる目標を設定するよう心がけていた。本塁打王のタイトル争いはその典型だ。「タイトルは結果」という考え方もあるが、僕は可能性のあるタイトルはがむしゃらに狙った。ライバルの松井秀喜やタフィ・ローズが打てば、俺も負けないぞと一発狙った。目に見えるライバルの存在は刺激になる。3回タイトルを争い、2回取れた。

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