2019年6月19日(水)

自然災害は廃線の引き金? JR根室線復旧見合わせ

2017/7/25 23:00
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日経コンストラクション

JR北海道は、2016年8月の台風被害で不通になっている根室線の東鹿越―新得間について、復旧工事の着手を当面、見合わせる考えを明らかにした。この区間は利用者が少なく、JR北海道が16年11月に「当社単独では維持することが困難」と発表した10路線13区間の一部。沿線自治体にバスなどへの転換を提案している同社は、鉄道としての存続を前提とした復旧には慎重な姿勢だ。島田修社長が17年7月12日の記者会見で明らかにした。

根室線の東鹿越―新得間の台風による被災状況。雪解けを待って今年5月に調査した(資料:JR北海道)

根室線の東鹿越―新得間の台風による被災状況。雪解けを待って今年5月に調査した(資料:JR北海道)

JR北海道の試算によると、東鹿越―新得間の被災箇所の復旧費用は、土木工事だけで5億4000万円。線路や電気施設の工事費を含めると10億5000万円に及ぶ。鉄道として維持するには、このほか河川管理者の南富良野町や道路管理者の北海道に、砂防堰堤(えんてい)や道路下の排水設備などの整備を求める必要がある。

JR北海道では、復旧工事を進めるには災害復旧事業として国の補助金などを使う必要があるとしている。その場合、今後も鉄道として線路を維持することが前提となる。

東鹿越―新得間の輸送密度(1日当たりの平均輸送人数)は200人未満と少ない。このため同社は、沿線自治体との協議を今後も進め、バスへの転換を含めて将来の運行形態を見極めてから判断する考えだ。

JR北海道が昨年11月に公表した単独では維持することが困難な13線区と維持可能な11線区(資料:JR北海道)

JR北海道が昨年11月に公表した単独では維持することが困難な13線区と維持可能な11線区(資料:JR北海道)

根室線と同様に、単独では維持困難とされた日高線の鵡川―様似間も、自然災害で2015年1月から運休が続いている。地元自治体との協議がまだ続いており、復旧のめどは立っていない。

一方、住民団体「日高の公共交通を考える有志の会」は、7月13日に開催したシンポジウムで初めてバスへの転換を受け入れる考えを示した。運休が長引くなか、地元は次第に鉄道としての復旧断念へと傾きつつある。

(フリーライター 山崎一邦)

[日経コンストラクションWeb版 2017年7月25日掲載]

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