2018年7月23日(月)

平均年齢70歳 ビジネスマンOB、55人の日本紀行

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2017/7/23 6:30
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 伊藤忠商事、日本銀行、大成建設、日本航空――。日本を代表する企業などのOB55人が、全国を旅した紀行を出版した。「日本再発見紀行」(文芸社)は、ひと癖もふた癖もある団塊の世代が、めずらしくひとつにまとまった力作だ。出版を取りまとめた編集委員の一人、元日本開発銀行の高木健次氏に話を聞いた。

■費用は1人3万円台で

たかぎ・けんじ 1969年慶応大卒、日本開発銀行入行、90年日本テレコム、2001年旧東京テレメッセージ社長、2009年から東洋学園大学非常勤講師などを務める。72歳

たかぎ・けんじ 1969年慶応大卒、日本開発銀行入行、90年日本テレコム、2001年旧東京テレメッセージ社長、2009年から東洋学園大学非常勤講師などを務める。72歳

 ――本書は観光立国と地方創生のためとありますが、45社55人もの企業人OBをよく集めましたね。

 「45社といっても、私のいた開銀や、第一勧業銀行、日本長期信用銀行など、今はない会社も入っています。一勧はみずほ銀行になり、長銀は新生銀行となりましたが、それぞれに自分の一生の生きがいとしている出身母体なんですね。それを尊重しました」

 「55人の母体は、企業の役職経験者が社会貢献を目的として設立した一般社団法人、ディレクトフォース(東京・千代田)です。約600人の会員がいますが、その中に観光立国研究会というのをつくり、この指とまれ方式で執筆者を募りました。2011年の東日本大震災で、日本にいる外国人が一斉に立ち去った時期がありましたね。これではまずい、という問題意識から始まり、13年の東京五輪招致決定などをへて、われわれが何か発信できないかと出版を決意したんです」

 ――55人がそれぞれ日本各地を旅したのですか

 「改めて旅したところもありますし、そうでないところもあります。生まれ育った故郷だったり、現役時代に長らく生活した印象深い場所だったり、執筆者の縁や貴重な体験が盛り込まれています。有名観光地ではないがこれが日本だ、といえる素晴らしいところがある。これを本の形にまとめよう、ということになったのです」

 ――平均年齢は約70歳で、それぞれ一家言ある団塊の世代だし、ひとつにまとめるのは大変だったでしょう。

 「それぞれ濃淡ありますが、現役時代は功成り名を遂げた人ばかり。中には、秘書つき運転手つきで、身の回りのことはなにもやらない人もいます。もちろん文章を書くプロではないし、そういう多彩な人たちをまとめるのは大変でした。ただみな納期はしっかり守りました」

 「9人の編集委員がすべてを合議制で決めました。本のタイトルから装丁、ページ数、出版社、費用まですべてです。会議の中身や、各執筆者とのやりとりはすべて文書にして共有しました。あとで言った言わないがないようにです」

 ――出版費用はどうしたのですか。

 「お金は最大の問題でした。全員が同額を負担し、上がりが出れば同額を享受することが大前提です。1人の分担金は4万円を超えないようにと決めました。おうちの方に文句を言われないように、小遣いでやれる範囲です(笑)。表紙や口絵には美しいカラー写真を配していますが、本文の写真は、予算制約上、カラーにできませんでした。カラーにするお金を出すぞ、といってくれた人もいましたが、原則を守りました。お金のある人が出す同人誌くささは出したくなかったのです」

 執筆陣55人の出身企業など
 あいおい損害保険、朝日生命、伊藤忠商事、イトーヨーカ堂、宇部興産、オリオン商事、関西電力、クレハ、KDDI、国際連合、シェルジャパン、昭和電工、信越化学、住友金属鉱山、住友軽金属工業、第一勧業銀行、ダイエー、大成建設、太平洋セメント、電気化学工業、東京国税局、東京電力、東芝、東レ、日本IBM、日本開発銀行、日本銀行、日本経済新聞社、日本航空、日本長期信用銀行、日立化成工業、日立製作所、富士銀行、ブリヂストン、古河電気工業、マツダ、丸紅、みずほ銀行、三菱化学、三菱重工業、三菱商事、三菱製紙、三菱マテリアル、安田信託銀行、安田生命 (五十音順)

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