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視覚障害の子、世界で自立支援
岡山の元盲学校教諭、学校や基金設立

2017/7/19 9:39
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点字ブロック発祥の地・岡山市を拠点に、元盲学校教諭の男性が途上国の視覚障害者の支援に奔走している。障害者への理解を深めるための講演活動で得た謝礼などを元手にモンゴルなどに盲学校を設立。目の不自由な子供たちの治療費を助成する基金もつくった。男性は「点字ブロックのおかげで世界が広がった。障害者が自立した人生を送れる役に立ちたい」と協力を呼びかけている。

竹内さんは講演料などを元手にモンゴルなどで盲学校を設立した(岡山市中区の点字ブロック発祥の地)

竹内さんは講演料などを元手にモンゴルなどで盲学校を設立した(岡山市中区の点字ブロック発祥の地)

「目が見えるようになって幸せだ」「将来は医師になって人を助けたい」。岡山市在住の竹内昌彦さん(72)の元には、海外の支援団体を通じて子供たちの喜びの声が続々と届く。

幼少期に網膜剥離で光を失った竹内さん。大学卒業後の1968年、母校の岡山県立岡山盲学校(岡山市)に教師として赴任する一方、91年から全国各地で講演活動を続け、障害者の差別解消などを訴えてきた。活動の中で途上国では財源の問題などから視覚障害者の支援が遅れている現状を知り、講演料などをためた約2千万円を拠出。2011年にモンゴルで盲学校を、15年には中央アジアのキルギスで障害者の生活訓練施設を開いた。

活動の原点はちょうど50年前、母校近くに世界で初めて設置された点字ブロックだ。岡山県の実業家、故三宅精一さんが「目が見えなくても安心して移動できるように」と考案した。障害者らの普及運動もあって全国の駅や空港に広がり、海外の75カ国でも同様のブロックを導入している。

竹内さんが盲学校に通っていた当時ブロックはなく「花の香りや歩道に生える草を頼りに、耳を澄ませながら命懸けで歩いた」。しかし、自身も今ではブロックを頼りに1人で全国各地を訪ねるまでになり、講演回数は2千回を超えた。「点字ブロックのおかげで世界が大きく広がった」と素直に喜びを口にする。

昨年末には途上国の子供たちの眼病治療を支援するための「ヒカリカナタ基金」を立ち上げた。基金の援助を受けてこれまで小児白内障などの70人が目を手術し、視力が改善したという。

竹内さんは「私たちのために心を砕いてくれた三宅さんらの思いを継ぎ、海外の子供たちに形にして届けたい」と力を込める。点字ブロックへの感謝の気持ちを、目の不自由な子供たちの「希望の光」に変えていきたいと考えている。

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