アップル、モバイル決済の普及度 米では年内に50%へ
鈴木淳也 モバイル決済ジャーナリスト

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2017/8/8 6:30
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米Apple(アップル)のモバイル決済サービス「Apple Pay(アップルペイ)」。このサービスについて関係各所を取材していると、同サービスの登場前後で業界地図が大きく変化しており、「そのインパクトは非常に大きい」という話が必ずといっていいほど聞こえてくる。

街中でApple Payのロゴを見かける機会も増えてきた。写真は台北市内のドラッグストアでの決済端末の画面(写真:鈴木淳也)

街中でApple Payのロゴを見かける機会も増えてきた。写真は台北市内のドラッグストアでの決済端末の画面(写真:鈴木淳也)

例えば日本ではJCBがApple Payの登場後にカード発行枚数とトランザクション数で「従来のカード業界では例を見ない増加」を達成しているなど、国内でのサービス開始から半年程度で無視できないレベルの影響が顕在化している。

実際、Android Pay(アンドロイドペイ)を擁する米Google(グーグル)や、国内ローンチパートナーの1社であるMasterCard、さらにおサイフケータイ陣営なども交えてApple Pay路線を追随する動きを見せており、その影響力は計り知れない。アップル自身も自らを「モバイル端末を使った非接触(NFC)決済で業界ナンバーワン」と称することをはばからず、この分野におけるトレンドリーダー的立場に立っている。

2017年6月に開催された開発者会議「WWDC17」で講演した米Appleソフトウエアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのCraig Federighi氏。Apple Payは業界ナンバーワンのモバイル決済サービスと話した(出所:Apple)

2017年6月に開催された開発者会議「WWDC17」で講演した米Appleソフトウエアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのCraig Federighi氏。Apple Payは業界ナンバーワンのモバイル決済サービスと話した(出所:Apple)

一方で、Apple Payに関する具体的な統計データはいまだ出されておらず、アップル自身も意図的に明言を避けているとみられる。関係パートナー各社でもApple Payの利用状況が分かる具体的な数字の拠出については"箝口令"が敷かれているようだ。

2017年5月2日には、アップルの2017年度第2四半期(2017年1~3月期)決算会見において、ごく一部の最新データが紹介された。このように、断片的に出てくる周辺情報からある程度推測するしかないのが現状だ。

■1年間で450%の増加

同四半期決算会見でCEO(最高経営責任者)のTim Cook(ティム・クック)氏は、台湾とアイルランドでApple Payが開始され、サービス提供国・地域が15カ国となり、非接触決済が利用可能な小売拠点は2000万以上に達したと紹介された。さらに5月17日にはイタリアでサービスが開始された。

2016年10月25日にサービスが開始された日本は12カ国目だったので、Apple Payの提供範囲は日々拡大している。

5月17日にはイタリアでApple Payサービスが開始された。サービス提供は16カ国目(出所:Apple)

5月17日にはイタリアでApple Payサービスが開始された。サービス提供は16カ国目(出所:Apple)

Apple Payの利用量は、提供国・地域の拡大、そして非接触決済が利用可能な小売拠点の増加とともに上昇カーブを描いている。クック氏によれば、過去1年間で450%の増加(5.5倍)が見られたという。ここでいう1年間とは2016年4月~2017年3月の期間のことで、この前の時点では米国、英国、カナダ、オーストラリア、中国の5カ国でしかサービスが始まっていない。

つまり、残り10カ国がこの1年間で対象地域として新たに追加されたことになる。しかもカナダでは当初、暫定的なローンチで、サービスの本格稼働は2016年5月まで待たなければいけなかった。実際のところ、Apple Payの直近での大幅な業績拡大はサービス対象国・地域の追加による部分が大きいとみられる。

一方で、クック氏は一部国・地域での業績について具体的な例もいくつか挙げた。例えば英国では、2016年に非接触決済が可能な拠点が44%増加したことで、Apple Payの月間トランザクションが300%近く増加したという。日本では50万人以上の通勤・通学客による月間当たりのトランザクションが2000万に達するなど、Apple Payを日々活用しているユーザーが一定数存在することも紹介している。

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