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カギ握る田中やダルの活躍 大リーグ後半戦占う

スポーツライター 杉浦大介

米大リーグはオールスターブレイクを挟み、14日から後半戦に入った。ワールドシリーズ制覇に向けて勢いをつけるのはどのチームか。31日のトレード期限までに戦力補強の波乱はあるのか。日本選手が所属するチームを中心に見どころと行方を占っていきたい。(記録は前半戦終了時点)

ヤンキース

再建途上と目されていたが、45勝41敗とア・リーグ東地区首位まで3.5ゲーム差とプレーオフ進出に手が届く位置につけている。三冠王候補のアーロン・ジャッジは後半戦でも最も注目される選手の一人だろう。ほかにもゲーリー・サンチェス、クリント・フレージャー、ルイス・セベリーノといった若手が芽を出し、楽しみなチームになった。

ただ、投手陣はやや疲れ気味で、前半戦終盤の25試合で18敗と下降気味。7月14日には先発の一角だったマイケル・ピネダが右肘のトミー・ジョン手術(靱帯修復手術)を受けることが発表され、暗雲が漂い始めている。そんなチームがプレーオフ争いに残るためには7勝8敗、防御率5.47と苦しんだ田中将大の復調は必須条件。また、今のヤンキースはマイナーに多くのプロスペクト(有望株)を抱えているだけに、トレード期限にどう動くかにも注目だ。

カブス

昨季、108年ぶりにワールドシリーズを制したタレント集団は、今年も大本命とみられていた。ところが蓋を開けてみれば、43勝45敗と苦戦。クリス・ブライアント、アンソニー・リゾら主力野手は軒並み昨季に比べて数字を落としている。前半戦は防御率2.73と移籍1年目で好成績を残してきた上原浩治をはじめブルペンこそ頑張っているものの、肝心の先発投手陣はそろって不振に悩まされてきた。

厳しい状況の中で、幸いなのはナ・リーグ中地区首位のブリュワーズまで5.5ゲーム差とまだ手が届く位置にいること。巻き返しに向け、後半戦を前にトレードでホワイトソックスから先発左腕のホゼ・キンタナを獲得。地力のある選手が十分にそろっているだけに、「栄冠の二日酔い」から抜け出せば、巻き返しは十分に可能だろう。なるべく早い時期に切り替えられるかどうか、特に後半戦開始直後の昨季王者の戦いに注目が集まる。

ドジャース

ナ・リーグのベストチーム――。61勝29敗という好成績で終えた時点で、ドジャースはそんな高評価を集め始めている。

コリー・シーガー、ジャスティン・ターナー、ヤシエル・プイグ、クリス・テーラーといった多くの主力野手が好成績を残し、層の厚さは健在。加えて4月25日にメジャーに昇格したコディ・ベリンジャーが6月25日までに24本塁打を放って新たなセンセーションを起こした。

投手陣ではエースのクレイトン・カーショーが14勝2敗、防御率2.18と今季も圧倒的な力を発揮。同じく左腕のアレックス・ウッドが10勝0敗、防御率1.67とブレイクし、序盤は苦しんだ前田健太も徐々に調子を上げるなど、好材料がそろっている。

前半戦終盤の30試合で26勝という脅威のペースが後半戦も続くとはさすがに思えず、アップダウンはあるはずだ。例えそうだとしても、駒のそろうドジャースはやはりリーグの優勝候補筆頭とみなされてしかるべきだろう。今年こそカーショーが初めてワールドシリーズの舞台に立つ年になるのだろうか。

マーリンズ

マルセル・オズナ、ジアンカルロ・スタントン、ディー・ゴードン、クリスチャン・イエリチ、JT・リアルミュート、ジャスティン・ボアといった若手野手たちはそれぞれ優れた成績を残している。それにもかかわらず41勝46敗と負け越したのは、先発投手陣の平均防御率がナ・リーグのワースト2位と低調だったから。昨季、エースのホゼ・フェルナンデスが事故死したダメージは計り知れず、今季の苦戦は予想通りではあった。

球団売却の話が世間を騒がせている状況下で、トレード期限までに大きな補強をもくろむとは考え難い。新オーナーの行方と、チーム内から誰が放出されるかが後半戦の注目ポイント。イチローを高く評価していたオーナーのジェフェリー・ロリア氏が退けば、43歳の現役最年長選手の今後も定かではない。来季以降も現役続行の可能性を上げるべく、ここから先は可能な限り健在ぶりを誇示しておきたいところだ。

マリナーズ

今季はフェリックス・ヘルナンデス、岩隈久志の両輪をはじめ、先発ローテーションから故障者が相次いだ。このため43勝47敗と苦戦。ロビンソン・カノ、ネルソン・クルーズ、ジーン・セグラ、ベン・ギャメルらを中心とする打線は強力だけに、もったいない印象も残った。

幸いなのはワイルドカードまで4ゲーム差と、まだ巻き返しは可能な位置にいること。本気で上位進出を狙うなら、岩隈らの復調を待つだけでなくトレードでジャスティン・バーランダー(タイガース)、ゲリット・コール(パイレーツ)のような大物を狙うのもよいだろう。

アストロズ

ホセ・アルテューベ、カルロス・コレア、ジョージ・スプリンガーを中心とした強力打線を軸に、ア・リーグ西地区のパワーハウスは60勝29敗と圧倒的な強さをみせた。得点、安打数、本塁打数、打率、出塁率、OPS(出塁率と長打率を足した数値)はすべてメジャー1位。先月に日米通算2000安打を達成した青木宣親が主力扱いされないほど、ラインアップは極めて層が厚い。

レンジャーズにはダルビッシュら実績ある選手が多い=共同

一方、ダラス・カイケル、チャーリー・モートンが故障者リスト入りをするなど、投手陣は盤石の陣容ではない。前半だけで52回2/3を投げた中継ぎのクリス・デベンスキーの疲れも気がかりだ。地区優勝はすでに堅いとみられ、今季はワールドシリーズ進出の絶好機だ。勝負のシーズンだけに今後、プレーオフ進出をにらんだ投手補強に着手する可能性は低くなさそうだ。

レンジャーズ

過去2年連続でプレーオフに進出したことを考えれば、43勝45敗という成績は期待外れという以外にない。ジョナサン・ルクロイ、マイク・ナポリ、ルーグネッド・オドルといった実績ある打者たちがどん底の不振。エイドリアン・ベルトレ、コール・ハメルズという投打の軸が故障者リスト入りするなど、様々な誤算が重なったうえでの低迷だった。

もっとも、マリナーズ同様、ワイルドカードにまだ手が届く位置にいる。2年前もオールスター時点で4つ負け越しながら、後半戦は46勝28敗と勝ちまくってア・リーグ西地区で優勝を果たした経験もある。この位置にいる限り、契約最終年にあたり話題になったダルビッシュ有のトレードはないだろう。実績ある選手は多いだけに、レンジャーズが今後徐々に浮上しても不思議ではない。

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