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イエレン氏、議会証言「最後かも」 後継の有力候補は元商品トレーダーか

2017/7/13 9:47
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 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による12日の議会証言では、2018年2月に控えた任期切れについて、いくつか質問を受けていた。「私は任期を全うする」と毅然と答えていたが、「FRB議長として最後の議会証言になるのでは?」と問われたときは「It might well be(そうかもしれない)」と語っていた。

 既にマーケットでは「イエレン氏再任はほとんどあり得ないシナリオ」とされている。関心は当然、次期議長人事に集まる。

イエレン米FRB議長の後継候補として名前の挙がるゲーリー・コーン氏=ロイター

イエレン米FRB議長の後継候補として名前の挙がるゲーリー・コーン氏=ロイター

 利上げサイクルを締めくくり、資産圧縮を軌道に乗せる仕事は未知の領域での「壮大な実験」だ。容易ではない。

 その言動がマーケットに与える影響力は、時に米国の大統領より強い。そこで筆頭候補として名前が挙がるのが、国家経済会議(NEC)のゲーリー・コーン委員長だ。筆者が6月、投資家のジム・ロジャーズ氏と米ニューヨークで対談したとき、イエレン氏の後任人事が話題になった。普段は人物評価に厳しいロジャーズ氏も「コーン氏は悪くない」と語っていた。

 コーン氏は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のフロアで働いた元コモディティーディーラーの経歴があり、マーケット内にも共感を覚える人が少なくない。たたき上げで、自らを積極的に売り込み、ついにはゴールドマン・サックスのナンバー2で最高執行責任者(COO)の座に登りつめた。そもそもゴールドマンの最高経営責任者(CEO)、ロイド・ブランクファイン氏も元貴金属会社の営業部長で、ゴールドマンによる買収で籍を移し出世したという、これぞアメリカンドリームといえるような経歴を持つ。

 コーン氏はエコノミストではなく、今後のFRB議長候補として名前が挙がるなかでは異例のキャリアを歩んできた。

 そのマネジメントスタイルは「荒っぽく、大胆で、直球を投げ込むタイプ」とも評される。理論派の中央銀行家とは対極にある、といえよう。

 しかし、トランプ政権内では地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の脱退に異論を唱えるなど「良識派」と見られている。超党派で人望も厚い。ただ、日銀に対する財務省のような関係となるムニューシン米財務長官もゴールドマン出身だ。主要ポストがゴールドマン出身者となることに米政権内の一部には抵抗感もあるようだ。

 市場が最も気になるのは金融政策への考え方だが、その経歴が示すとおり、未経験者である。「壮大な実験」を遂行する人物としてはいわゆる「中央銀行サークル」のしがらみが無いため、適任かもしれない。ただしハト派かタカ派かとなると、全くの未知数だ。それがリスクともいえる。

 対抗馬としては、米スタンフォード大学の経営大学院で講師を務める学究派のケビン・ウォーシュ氏の名前が挙がっている。元FRB理事で、ブッシュ政権で顧問を務めた。こちらはオーソッドクスなFRB議長候補といえるだろう。

 通常、FRB議長人事は任期切れの前の年の8月ごろには「内示」があることが多かった。しかし、トランプ大統領がFRB議長人事を決めるのは秋以降になる可能性が高い。

 市場としては早く決めてほしいところだ。18年の利上げ回数や、資産圧縮の落としどころ(4兆5000億ドルまで拡大した資産を2兆ドルにするのか、2.5兆ドルか、3兆ドルか)など、新任議長次第の判断が気になる。かたや、イエレン議長はレームダック化する前に、金融正常化の道筋固めを急ぐことになろう。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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