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NY株でフラッシュクラッシュ、AI運用の死角

2017/7/12 8:23
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 日本時間12日午前0時すぎに100ポイント幅でいきなり急落後、急激に買い戻された。いわゆる「フラッシュクラッシュ(瞬時の急落)」である。きっかけはトランプ米大統領の長男がロシア関連メールを多数公開したこと。その中に「お父さんをサポートする有利な情報」「クリントン候補を法的に訴えるに足る情報」との記述や「I love it いいね」とのトランプジュニアの反応が含まれていた。これはロシアゲートに関する決定的証拠(smoking gun)になりうる、との見方もNY証券取引所フロアでは出始めている。

 この報道に人工知能(AI)が瞬間的に反応して大量の売り注文を発動。極めて流動的な市場環境の中ですぐに買い戻されたのだ。

 一般的に市場は、トランプ政権の動向よりイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の動向に注目している。しかし、さすがに成り行き次第では大統領弾劾にもつながりかねない電子メールが公開されると、アルゴリズムが瞬間的に反応することが図らずも実証された。

 一方、外国為替市場でも、同時刻にドル円相場が114円40銭台から113円90銭台の円高に急激に振れた。トランプ政治リスクを嫌気して、相対的に「安全通貨」とされる円が買われたのだ。円安が急進行していたので、短期の通貨投機筋が、円買い手じまいのタイミングを見計らっており、格好の口実を提供する結果にもなっている。

 ドルに関しては、昨晩は米10年債利回りの上昇も一服していた。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和の縮小観測が依然生々しく残る欧州市場では、独10年債利回りが続騰したことと対照的な動きだ。ブレイナードFRB理事(ハト派)が「利上げは慎重に」「資産圧縮は早めに」と講演で語ったことも材料視された。資産圧縮は開始時の量が限定的で、バーナンキショックの二の舞いだけは避けたいFRBの意図が明確だ。やはり利上げ回数の方が直接的な短期要因としては重視されるので、ハト派発言はドル安の追い風になりやすい。

 今週市場が最も注目するイエレン議長議会証言を控え、やはり市場の視線はトランプ氏よりイエレン氏に向いている。ただ、外為市場でもAI運用の影響が強まっており、イエレン発言の解釈次第で、新たなフラッシュクラッシュがいつ起きても不思議ではない。情報の見極めがより一層肝要になっている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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