お金のプロもやっている 500円玉貯金を始めよう

貯金できない、やりくりが苦手、お金を使うのが不安……。その悩み、すべて「500円玉貯金」で解消できるんです! 楽しくためて、節約上手になれる最強の方法をレクチャーします。
預貯金は「未来への備え」 500円玉で「夢見る貯金」を
日ごろからお金の取材をすることが多い日経WOMAN編集部チームがある日、ふと気が付いた。「『500円玉貯金』をやっているお金のプロが、なぜか増えている」……。
そのひとりが、500円玉貯金で100万円ためたというマネーコンサルタントの市居愛さん。「お金持ちやマネーのプロほど、500円玉貯金をやっていると思いますよ」と断言する。その理由は「お金をためることが楽しくなるから」。
そもそも500円玉貯金とは、お財布の中の500円玉を1日1回貯金箱に入れるだけのこと。「シンプルですが、手元でお金がどんどん増えていく手応えがあり、残高という数字が増えるだけの預金とは違う楽しさがあります」と市居さん。
実は日本の500円玉は、一般に流通するお金としては世界有数の高額硬貨。「キングオブコインと呼ばれるほど。その分、たまるスピードが速いのも魅力です」。例えば、1日に500円玉1枚の貯金を1年365日続ければ、18万2500円になる。
そのワクワク感を生かすために「ためる目的はぜひ楽しいことを設定して」と言う。「預貯金が『未来に備えるお金』なら、500円玉貯金は『今の夢をかなえるお金』に。どう使おう? と日々考えながら貯金箱に入れることで、お金を大事に扱う習慣が身に付きます」
500円玉貯金のために、財布に500円玉が確実に残るよう買い物の際に工夫するのは「頭の運動にもなりますよ」。挫折を防ぐための貯金箱の選び方や置き場所など、市居さんオリジナルの「500円玉貯金メソッド」に挑戦してみては。

【楽しくお金がたまる!最強・500円玉貯金メソッド】
自分に合う貯金箱を用意する
「中身が見えるほうが、やる気がわく」「意志が弱いから、簡単に開けられないタイプがいい」など、自分の性格に合ったものを選んで。次の質問で、あなたにぴったりのタイプが分かるかも。
A.白い砂浜
B.ザザーッという波の音
C.照りつける太陽の熱さ
→ Aの人は: 中が「見える」貯金箱
物事を目で見て確認する視覚派。中身の見えるものを選ぶことで気持ちが上がる。欲しいものの写真を貼るのも効果的。
→ B、Cの人は: 中が「見えない」貯金箱
音で確認するBの聴覚派、体感を重視するCの人は、たまり具合を「音」や「重さ」で確認できるタイプを選ぶのがよい。
貯金箱は目に付きやすい場所に置く
500円玉貯金を習慣化するには、生活動線に沿った「目に付きやすく、財布からお金を出しやすい場所」に貯金箱を置こう。例えば、いつもバッグを置く場所やデスクの上など。
財布の中で500円玉用の定位置を決めておく
500円玉がなければ500円玉貯金はできない。しかし、ほかの小銭と一緒だとつい使ってしまう。500円玉が手元に来たら、カード入れなど、小銭とは別の場所にしまって。
500円玉を引き寄せるワザを知る
財布の中に500円玉があるときだけためてもよいが、毎日必ず500円玉貯金したいなら、500円玉の「引き寄せのテク」を身に付けて。計算にも強くなれそう。
・ワザ1:500円以下の商品を選ぶ…… コンビニやカフェの注文など少額の支払いには、千円札を出してお釣りで500円玉が来るように調整を。
・ワザ2:支払金額+500円を払う…… 仮に支払額が640円なら、500円を足した1140円を出すか、100円単位を繰り上げて1200円を出し、500円玉をゲット。
・ワザ3:レジに行く前に100円単位でカゴの中の商品の合計金額を計算…… ざっと合計して、500円玉のお釣りが来るか見当を。例えば「100円足りない」ときは商品を1つ棚に戻せば節約にも。
使い道を妄想して楽しむ
目標が明確なほど、やる気がわく。使い道をイメージすることでワクワク感がアップ。「セミナーや教室に通う」「温泉旅行に行く」など、かなえたいことと目標額を決めよう。
「開封の日」を設定するなど、イベント化して楽しむ
貯金箱の開封が、500円玉貯金のメインイベント。「誕生日に開ける」「祝杯を挙げる」「正装してから臨む」など、イベント性を持たせることで、より達成感を味わえる。
・お札を崩して500円玉をつくるべき?
→ お札を崩すためだけに買い物をするのは本末転倒。必要なものを買う際に500円玉が出るように調整するか、自然に手にしたものをためて。
・家計簿にどうつける?
→ お財布から500円玉が減る分、「出費ではなく貯金」と分かるよう記載して。500円玉貯金が使途不明金とならない工夫を。
この人に聞きました

(ライター 西尾英子)
[日経ウーマン 2017年7月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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