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スマホがAIで進化「スーパースマートフォン」に

VentureBeat

スマートフォン(スマホ)の未来は人工知能(AI)と機械学習の進歩に根差している。AIという驚異のテクノロジーにより、スマホはAIが「妥当」や「必要」だと判断したパターンやトレンドを追跡し、解釈し、これらに対応できるようになる。持ち主の個性や使い方を来る日も来る日も整理して突き合わせ、学習するようになる。異様に思えるかもしれないが、これはスマホを持つ77%の米国人にとって現実だ。

スマートからスーパースマートへ

スマホがこれ以上どうスマートになるのか時には想像しがたいが、米アップルや韓国サムスン電子、米グーグルなどの企業はさらなる高みを目指し続けている。これができるのはAI、具体的にはディープラーニング(深層学習)のおかげだ。ディープラーニングは知覚パターンをいち早く認識するAIの一つの分野で、これにより画像認識や音声書き起こし、翻訳の精度が向上している。

人間の脳を思い描いてほしい。脳は信号やセンサー、処理を担うアルゴリズムからなるネットワークだ。脳に似た構造を持つ「AI(専用の)チップ」は、スマホの持ち主の習慣や日常パターン、過去の行動に基づいて大量のデータを処理できる。次の行動を予測するために、携帯アプリや活動量計、腕時計型ウエアラブル端末、さらには閲覧履歴から裏付けとなる情報を引き出すことも可能だ。しかも、インターネットに接続せずにこれをやってのける。その推察力は革新的だ。

AIのもう一つの用途は、デジタル効果を使ってカメラや取り込んだ画像に視覚情報を重ねる拡張現実(AR)だ。このテクノロジーはユーザーが画像や静止・ライブ映像にクリエーティブな効果を施すインスタグラムやスナップチャット、ピンタレストで使われている。「ピン留め」機能も実社会の特定の場にデジタルなモノを付けるAIを使ったツールだ。

AIは実に有益

ロボットに世界を乗っ取られるのではないかと不安を抱く人も多いが、非常に素晴らしい状況もみられる。例えば、AIはカスタマーサポート担当者が相手の感情を理解する力を向上させ、コンシェルジュサービスの予測アルゴリズムを強化し、自動車メーカーに誰(何)がハンドルを握るのかを見直すよう迫っている。

スマホから、全く新しいパーソナルな支援を受けられるようになる。持ち主の興味や好み、感情や機嫌を理解し、通知の優先順位まで決めてくれる。健康アプリが身体をスキャンし、スマホのセンサーで数値を測り、異常がないかを判断し、あればすぐに知らせてくれる。近いうちにスマホで認知症やパーキンソン病、循環器疾患などの病気の予兆を見抜けるようになる。AIを使ったソフトウエアのおかげだ。

常に複数の仕事を並行して進めているビジネスマンのために、AIで機能が向上したスマホがスケジュールの整理や、電話会議の設定、さらにはプレゼンの録音と転記もしてくれる。こうしたスマホはバッテリーの寿命も長く、容量も多く、充電も速い。スマホやアプリへの消費が鈍らない限り――そうはならないだろう――こうした機能は近いうちに本格的に展開されるだろう。

必要なのは名前ではなくデータ

スマホで収集するデータが増えるほど、利用価値のあるデータも多くなる。あるアプリをダウンロードすれば、その会社に適正な範囲での個人データの利用を認めることになる。ここで頼りになるのが、持ち主がサービスをどう利用し、どんな時に情報を提供するかを学習できるAIだ。データの提出を求める企業のサーバーに自分のデータをすぐに差し出さなくても、AIが端末内で解析してくれるので、データを渡さず、管理下に置いておける。

AIでプライバシーを守るもう一つの手段は、個々の利用者について知ることなく複数の消費者の匿名加工情報をクラウドソーシングする「差分プライバシー」というプロセスだ。このプロセスでは、使用されたリンクやボキャブラリー(語彙)、絵文字は収集するが、人物はひも付けされない。

もっとも、AIと機械学習はまだ発達途上の段階にあることを忘れてはならない。将来的には、端末内のAIでデータのプライバシーを守りつつ、匿名加工データのマイニング(解析)が可能になるため、メリットが広がるだろう。AIがもたらす最も顕著な変化は、「処理速度」と「効率」だ。われわれはこれまでと同じことをしているが、速度が増し、スマホを何度も充電することもなくなる。つまり、スマホをさらにカスタマイズし、使い勝手を良くするのがAIの本質だ。テクノロジーが進化し、スマートな利用への需要が高まっていることに基づけば、この2つの相性は完璧である。

By Tom Coughlin=米コフリン・アソシエーツ代表。ストレージ業界を担当している

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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