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ワンクリック詐欺 解決装い… 相談で二次被害 ご用心 広告を悪用、依頼料請求

2017/7/2 2:46
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インターネット上の画面の表示をクリックしただけで料金を不正請求される「ワンクリック詐欺」などの被害者が、対処法を求めてネットで検索した業者から現金をだまし取られる二次被害が相次いでいる。検索した単語に関連する広告が上位に表示される「検索連動型広告」を悪用した手口で、警察や国民生活センターが注意を呼び掛けている。

■5年で32倍に

愛媛県の30代女性はインターネットを利用中に突然、アダルトサイトの登録画面が表示された。慌てた女性が「消費生活センター」とネットで検索し、検索結果の上位に表示された団体に電話で相談したところ、依頼料として5万4000円を請求された。後で調べると公的機関ではなく探偵業者だった。

探偵業者にトラブルを解決する権限はなく、契約書にも「調査」と記すのが一般的。だが広告や電話口ではあたかも解決できるかのように伝えているケースが多い。

国民生活センターによると、こうしたアダルトサイトとのトラブル解決を装う探偵業者に関する相談は2014年度ごろから急増。16年度は6607件で、5年前の約32倍に増えた。

不正請求する業者は検索連動型広告を悪用。相談先を探す際に入力することが多い単語に連動して自社の広告が上位に表示されるようにし、被害者のクリックを誘う。

広告は、よく見ると小さな文字で「広告」や「PR」などと書かれているが、ワンクリック詐欺などの被害者は動揺し焦っているため、目についた上位の業者を未確認のままクリックして契約し、二次被害に遭ってしまうケースが多い。

京都府警は今年4月、ワンクリック詐欺の被害者に「サイト業者から請求の連絡が来なくなるよう対処する」などと言って現金をだまし取ったとして、探偵業の男ら3人を詐欺容疑で逮捕した。

府警サイバー犯罪対策課によると、男らは検索連動型広告で「消費生活センター」などと検索すると自社の広告が上位に表れるようにして集客。約1千人から少なくとも約6千万円を受け取り、収益の約半分を広告費に充てていたとみられる。

■検索大手も対策

相次ぐ被害を受け、警察や検索サイト側も対策に乗り出している。京都府警は4月、検索サイトの運営会社に公的機関をかたる悪質業者を示し、サイトに広告を表示しないよう要請。府警本部で一般向けに開く「ネットトラブル対策講座」でも、手口や被害事例を紹介し、注意を呼び掛ける。

検索大手のヤフーは4月下旬から、「詐欺 相談」「ワンクリック詐欺」など特定の単語を検索すると、広告よりも上位に消費者庁の相談窓口が表示されるようにした。同社の担当者は「公的な相談窓口を検索して悪質業者が表示されるのでは、検索サイトの信頼性が損なわれかねない」と危機感をあらわにする。

府警によると、最近は探偵業者のほか行政書士やコンサルタント業者が同様の広告を掲載する例も増えている。

ネット上の消費者トラブルに詳しい高木篤夫弁護士は「検索サイトの運営会社は膨大な数の広告を扱っており、全ての内容を確認するのは難しい。広告に公的機関と間違えやすい名称を使わせないなど、法的な規制も必要だ」と話している。

 ▼検索連動型広告
 インターネットの検索サイトで単語を入力すると、検索結果を示す画面の上部や右横などに表示される広告。入力した単語に関連した企業や商品の広告が自動的に表示されるため、宣伝効果が高く、利用者にもメリットが大きいとされる。
 表示されるだけでは広告料は発生せず、利用者のクリック回数に応じて広告主が料金を支払う仕組みが主流。画面に表示される順番は広告主が単語ごとに1クリック当たりいくら支払うかを示した入札額などで決まることが多い。

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