一枚上手の相撲論(浅香山博之)

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白鵬の1047勝は通過点 横綱は優勝を一番の目標に

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2017/7/7 6:30
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9日に初日を迎える大相撲名古屋場所(愛知県体育館)の話題の一つが横綱白鵬だろう。夏場所では復活を印象づける6場所ぶり38度目の優勝。今場所は私(元大関魁皇)が持つ通算最多1047勝へあと「11」に迫り、記録を更新しようとしている。白鵬の復活優勝への道のり、そして大相撲と記録について語っていきたい。

通算勝利数
1魁皇1047
2千代の富士1045
3※白鵬1036
4大潮964
5北の湖951
6旭天鵬927
7若の里914
8大鵬872
9寺尾860
10※安美錦823

(注)※は現役

先場所の白鵬は、まず体つきを見て、いつもと違うなと感じた。体重はそんなに変わらなくても、体の張りがあるかないかで、結果が見えるときがある。調子が悪いときは体に張りがないとか見ていてわかるし、下半身が大きく見えるときはやはり強い。白鵬はそれまで上半身がちょっとしぼんでいるなと思うときもあったけれど、夏場所はそれがなかった。

夏場所までの1年間は、白鵬はけがで休場を繰り返した。その間、稀勢の里は優勝し、横綱にも昇進した。数々の悔しさを味わい、白鵬は何かを変えないといけないと思ったのだろう。本気で体のことを考えて調整したようにみえた。新しいトレーニングを取り入れたり、ヨガや断食をやったりしたと聞く。また稽古も量より質を重視しているそうだ。そういった取り組みが、いい方向に流れてきたのではないだろうか。

白鵬も横綱に昇進して丸10年となり、32歳になった。30歳を過ぎると、それまで痛くないところが痛くなってきたり、けがの回復も遅れたりする。体力も一気に落ちてくる。押し相撲の力士は、頭ではこういう形になったら押せるとわかっていても、体力が落ちて押せなくなる。そうしてみんな引退していく。結局、ベテランになると、技術面は十分体に染みついたものがあるわけだから、少しでも現役を長く続けるためには、体力を落とさないようにやっていくしかない。誰もが体がきつい時期は来るから、それをどう乗り越えていくか。白鵬はその対応ができたのだろう。

ほかの横綱と比べ安定感勝る

名古屋場所に向け稽古する白鵬。今後強さをどれだけ維持できるかが大事になる=共同

名古屋場所に向け稽古する白鵬。今後強さをどれだけ維持できるかが大事になる=共同

夏場所では全勝優勝を飾ったものの、内容を見ると余裕はなくなっているように感じた。ちょっと前の調子がいいときには、そこまで本気を出さなくても6~7割の力で勝っていたのが、このごろは8~9割の力を出さないと勝てない。実力をつけた若手が幕内上位に番付を上げ、白鵬自身も年齢を重ねてくるとなると、だんだんと差も縮まってくる。ただ、それでも強さは健在だった。余裕はなくなっても、白鵬が本気を出せば若手はまだまだかなわない。高安戦で頭をつけて取ったように、逆にいえば相撲が厳しくなった印象だ。最近は衰えを指摘する声も出ているが、今まであまりにも強かったから休場すると目立つし、すごく力が落ちたようにも見えるけれど、実際はそこまでではない。ほかの横綱と比べても安定感は白鵬の方がある。

年齢的にもこれから先、もっともっと強くなるというわけではない。現状でも十分な強さをどれだけ維持できるかが大事になってくる。しっかり体を動かし、体のケアをする。人付き合いとか遊ぶ時間を削って、自分の体のために使う時間を増やしていければ、まだまだ第一線に居続けるのは間違いない。

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