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中国「自転車大国」シェアで復活 カギはスマホアプリ(IN FOCUS)
利用マナーに課題も

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2017/7/4 7:00
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上海の街中に乗り捨てられた自転車をリヤカーで回収する係員。同市は今年に入り駐輪場所の規制を強め、少なくとも4000台を撤去した

上海の街中に乗り捨てられた自転車をリヤカーで回収する係員。同市は今年に入り駐輪場所の規制を強め、少なくとも4000台を撤去した

 6月中旬に梅雨入りした中国・上海のオフィス街。お昼時になると、多少の雨もお構いなしにオレンジ色のデザインが鮮やかな自転車が行き交う。「ちょっと遠くまでランチに行こうと思って」。会社員の女性(25)はペダルに力を込めた。

 女性が乗るのは「モバイク」というベンチャー企業が2016年春に始めたシェア自転車だ。英国などに続き、近く福岡市や札幌市など日本でもサービスを始める。

 使い方はいたって簡単。スマートフォン(スマホ)の専用アプリで自転車に貼られたQRコードを読み取ると、ネット経由でカギが自動解錠される。目的地に着いて手動でカギをかけると、料金がスマホで自動決済される。

 「30分1元(約16円)」という手ごろな値段と、どこでも乗り捨てられる手軽さから1年強で全国で500万台が普及する爆発的なヒットを記録した。車体が黄色のライバル「ofo」も600万台を運用する。

 自転車が道路を埋め尽くしたかつての「自転車大国・中国」は、モータリゼーションの波ですっかり影を潜めた。その代償か、深刻な大気汚染と交通渋滞が都市を覆う。健康にもいいし、渋滞とも無縁――。街中にあふれるシェア自転車は自転車大国の復権を思わせる。

 だが副作用もある。乗り捨て可能なシェア自転車の大量の放置自転車が交通の妨げになり、上海市などは強制撤去と規制強化に乗り出した。新しいサービスが若者を中心に消費者の心をつかみ、規制も含め社会が動く。激動する中国・14億人市場の日常のひとこまだ。(上海支局長 小高航)

強制撤去された自転車が駐車場に並ぶ。保管期間に応じて費用が発生するため、シェア自転車各社は早期引き取りを迫られる

強制撤去された自転車が駐車場に並ぶ。保管期間に応じて費用が発生するため、シェア自転車各社は早期引き取りを迫られる

カラフルな自転車が街中を行き交う。「どこでも乗り捨てられる」「盗まれる心配がない」「健康にも大気汚染解消にもいい」といった理由で人気を集め、通勤や通学など様々な用途で利用される。上海ではすでに十数万台が配備された

カラフルな自転車が街中を行き交う。「どこでも乗り捨てられる」「盗まれる心配がない」「健康にも大気汚染解消にもいい」といった理由で人気を集め、通勤や通学など様々な用途で利用される。上海ではすでに十数万台が配備された

アプリを使ってQRコードを読み取り、自転車のロックを解除する。付近の空車検索もできる。スマホアプリの普及が急速に利用者を増加させた

アプリを使ってQRコードを読み取り、自転車のロックを解除する。付近の空車検索もできる。スマホアプリの普及が急速に利用者を増加させた

自転車のサドルには各社ごと異なる値段が表記される。激しい価格競争が繰り広げられている

自転車のサドルには各社ごと異なる値段が表記される。激しい価格競争が繰り広げられている

地下鉄構内に設置されたシェア自転車「ofo」の広告。シェア自転車は全社が赤字だが、政府主導の起業推奨策を引き金とした投資ブームで集まった大量の資金が、新しいビジネスの原動力になっている

地下鉄構内に設置されたシェア自転車「ofo」の広告。シェア自転車は全社が赤字だが、政府主導の起業推奨策を引き金とした投資ブームで集まった大量の資金が、新しいビジネスの原動力になっている

利用者のいたずらで傷つけられたシェア自転車「ofo」のQRコードやナンバー。他の利用者に使われないようにして、自転車を私物化するケースも増えている

利用者のいたずらで傷つけられたシェア自転車「ofo」のQRコードやナンバー。他の利用者に使われないようにして、自転車を私物化するケースも増えている

モラルが低い人がいる一方、私物化されたシェア自転車をスマホで撮影し、SNS(交流サイト)で通報する「自転車ハンター」がネット上でマナー向上を呼びかけている。撮影場所などを記載すると、係員がトラックで現地を訪れ回収していく

モラルが低い人がいる一方、私物化されたシェア自転車をスマホで撮影し、SNS(交流サイト)で通報する「自転車ハンター」がネット上でマナー向上を呼びかけている。撮影場所などを記載すると、係員がトラックで現地を訪れ回収していく

シェア自転車の「モバイク」とカフェレストラン「Wagas」が共同運営するレストランの店舗。壁にはユニークな絵が描かれてブランド向上に努める

シェア自転車の「モバイク」とカフェレストラン「Wagas」が共同運営するレストランの店舗。壁にはユニークな絵が描かれてブランド向上に努める

共同運営するカフェレストランの店頭には自転車のディスプレーが設置されている=小高顕撮影

共同運営するカフェレストランの店頭には自転車のディスプレーが設置されている=小高顕撮影

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