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ゴルフ場のグリーンキーパーにもっと光を
公益財団法人日本ゴルフ協会専務理事 山中博史

(3/3ページ)
2017/7/5 6:32
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試合では選手のレベルが高くなればなるほど、わずかな実力差がスコアに表れるセッティングが求められます。通常営業の際には、そこまでシビアなセッティングは求められないでしょう。しかし、そうした高いレベルの話になると、いろいろな勉強が必要となってきます。そして、他のコースを見にいく、経験のあるキーパーから話を聞く、自分でもやってみたくなるという好循環につながり、彼らの士気も上がります。どの分野でもそうですが、「職人共通の意識」がそうさせるのです。

実際、トーナメントを開催するとコースのコンディションは間違いなく向上します。一度、そういう状態をつくると「来年はここをよくしよう」、その次は「ここも直そう」などと、一段上のレベルを求めるのがキーパー共通の性質なのです。これを繰り返していくと、気が付いたら以前よりはるか上のレベルにまでたどり着いたというコースがたくさんあります。

いいコースはいい選手を育てる

日本のキーパーたちは世界に誇れるコースコンディションをつくり上げる必要がある=JGA提供

日本のキーパーたちは世界に誇れるコースコンディションをつくり上げる必要がある=JGA提供

このようにキーパーのノウハウが共有され活用されるようになれば、キーパーのやる気もスタッフのレベルも向上し、コースも良くなります。メンバーも自分のコースが良くなれば、友人を招きたくなります。ゴルフ場オーナーもコースの価値が上がり満足します――。いわば、みんなが幸せになりますし、日本のゴルフ界全体のレベルアップに直結するのです。「いいコースはいい選手を育てる」はまさに格言だと思います。こうした好循環のお手伝いをJGAができれば、というわけです。

最後に日本のキーパーの仕事の素晴らしい点について、紹介しましょう。よく日本人プレーヤーが米ツアーに行って、パッティングで悩むという話を聞きます。ほとんどのメディアが米国のグリーンのアンジュレーションや速さを話題に取り上げます。

しかし、私は日本のキーパーたちが仕上げた素晴らしい転がりを実現するグリーンに慣れているので、米国の雑な、雑草交じりのグリーンに戸惑っているケースも多いのではないか、と思っています。その証拠に世界のツアーを転戦してきたプロたちは日本のグリーンを見るなり「いつもこんな素晴らしいグリーンでやっているのか?」と驚くからです。

グリーンについて付け加えるなら、グリーンやカラーの刈り込みなど繊細な感覚と心遣いが必要な作業は、女性の方が上手な場合もあります。最近は女性がグリーンを刈っているコースも多く見られるようになりました。

これから五輪に向け、日本を訪れる外国人ゴルファーが増えるにつれて、日本のコースも注目されるようになります。日本のキーパーたちが世界に誇れるコースコンディションをつくり上げ、アジアのゴルフ先進国として尊敬されなければなりません。それが、日本のゴルフ界として目指していく方向であると確信しています。

皆さんも今度ゴルフ場に行ったら、ほんの一瞬でよいですから、そのコースのキーパーの仕事に注目し、感謝の気持ちを持たれてはいかがでしょうか。きっと見慣れたコースが違って見えてくるはずですよ。

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