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ロッカールームトーク

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ゴルフ場のグリーンキーパーにもっと光を
公益財団法人日本ゴルフ協会専務理事 山中博史

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2017/7/5 6:32
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コース管理について大きな権限を持っているということは、責任を負っている裏返しでもあります。海外のトーナメントなどでは、選手のロッカールームにキーパーの署名入りで「今年は、かくかくしかじかの理由で十分なコースコンディションを準備できなくて申し訳ない」という掲示が出ているのを見たことがあります。コース整備のプロ、いわば"職人"としての務めを果たせなかった、という責任感とプライドの表れだと思います。

一方、素晴らしいコンディションに仕上がったコースでエキサイティングなトーナメントが展開されれば、キーパー冥利に尽きます。優勝者がスピーチでスポンサーや大会関係者と並んで、必ずキーパーにも謝辞を述べるのは、コース整備がいかに大変かを知っていて、そのことに敬意を表しているからです。

人材確保、深刻な問題に

翻って、日本ではどうでしょうか。多くのゴルファーはキーパーの存在など意識したことはなく、知っていても「草刈りをしている人」ぐらいに思われているのが正直なところではないでしょうか。とても社会的にリスペクトされているとはいえず、残念な限りです。このような状況ですので現在、キーパーの間でコーススタッフの人材確保が深刻な問題になっています。先日開いたグリーン委員会でも話題になったのですが、次世代を担うキーパーのなり手がなかなかいないのです。

現在、キーパーの間でコーススタッフの人材確保が深刻な問題になっている=JGA提供

現在、キーパーの間でコーススタッフの人材確保が深刻な問題になっている=JGA提供

キーパーになるには、ゴルフ場に入社した社員が管理課に配属され、現場のたたき上げで勉強するか、大学の農学部や専門施設などアカデミックなルートから入るかがほとんどですが、最近ではそうした若者がなかなかいないのです。

昔なら先輩について、朝から晩までコースを歩き回って仕事を覚え、季節や天候に応じた管理方法を経験し、肌で学びました。どこの世界にもある師弟関係の世界で、それは厳しい世界でした。

しかし、最近は何か問題があるとすぐインターネットで検索したり、関連する業者に聞いたりするキーパーが多いそうです。確かにネット情報は便利ですが、自分のコースの立地や自然条件にあったやり方かどうかはわかりません。また、ゴルフ場関連の業者とビジネス抜きの相談はなかなかできないのが実情でしょう。

さらに高温多湿の日本では、地域固有の事情で、そのコース特有のコツがあることも少なくありません。こうした背景から、これからコース管理の重責を担う若いキーパーはいろいろな問題に直面したとき、誰に相談してよいのかわからないことが多く、ネット検索などでその場しのぎの対応で済ませてしまいがちです。一方でベテランキーパーたちはコース管理のノウハウや、そのコースにあったコツなど自分が現場で学んだノウハウをどうやって次の世代に伝えるか、頭を悩ませているのです。

グリーン委員会は、こうしたキーパーの皆さんのお手伝いをしようというわけです。具体的には豊富な経験を積んだ委員がいつでも相談に応じ、必要なら現地指導もしながら適切に対処していくことが可能になります。また、海外から発信している情報の精査もしながら、正しくコース管理関係者に報告をしていくことを使命とします。そのためには、委員として「是非」を言わなければならないときもあります。

特に、トーナメント開催のセッティングノウハウはJGAとしてもキーパーの皆さんの"職人気質"をもっと刺激し、積極的に関与していく必要があると思っています。

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