/

ホウレンソウ、不安緩和 酵素の働きを確認

京都大学の大日向耕作准教授らとかずさDNA研究所(千葉県木更津市)は、ホウレンソウなどの緑葉色野菜やお茶に多く含まれる酵素「ルビスコ」から、不安を和らげる働きがあるペプチド(たんぱく質の断片)を見つけた。マウスで効果を確かめた。気持ちを落ち着かせる機能性表示食品などの開発につながると期待している。

研究チームは光合成反応に必要な酵素で、地球上で最も多く存在するたんぱく質と言われるルビスコに着目。ホウレンソウから抽出したルビスコを、胃液に含まれる消化液ペプシンで処理し、中間分解物のペプチドをマウスに口から与えた。

精神的ストレスを測定するため、大きさ約5センチのマウスを幅5センチ、高さ50センチの十字式の台に置く標準的な実験をした。台の半分にはアクリルのカバーがついているが、もう半分は何もついておらず、落下の恐れがある。投与したマウスは普通のマウスに比べ、何もないところに2倍程度長くいて、不安を感じにくいと判断した。

研究チームが以前に見つけた抗不安作用がある物質をヒントに、中間分解物に含まれるペプチド8種類を化学合成した。このペプチドをマウスに与え、十字式の台に置くと、3種類で効果が見られた。それぞれ8個、6個、5個のアミノ酸が連なり、医薬品並みに強い活性があったという。

さらに抗不安作用を別の標準的な実験で観察した。マウスをおけに入れ、真ん中にいた時間を計測する。不安がないほど真ん中にいる時間が延びる。発見した3種類のうち、1種類をマウスに与えて5分間みたところ、3秒程度真ん中にいた。何も与えないマウスはほとんどいなかった。

抗不安作用のメカニズムを明らかにするため、抗不安に関係するセロトニンという神経伝達物質の受容体の働きを抑える薬剤を投与してから、合成したペプチドを与えた。普通のマウスと同じ挙動をしたことから、大日向准教授は「ペプチドは受容体を活性化して抗不安作用を示しているのではないか」と推察する。

かずさDNA研は、ペプシン処理でできた200種類以上のペプチドの解析を担当した。ルビスコのアミノ酸配列をもとに、ペプチドがルビスコのどの辺りにあったか分かるよう、専用のソフトウエアを共同で開発した。

(藤井寛子)

[日経産業新聞 6月26日付]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン