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投手にバットは無用? DH制に妙案ほしい
スポーツライター 浜田昭八

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2017/6/25 6:30
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6月16日のセ・パ交流戦、阪神―楽天戦(甲子園)で、楽天のドラフト1位新人の藤平尚真が先発でデビューした。阪神・原口文仁に2ランを浴びて負け投手になったが、150キロ近い速球の威力は十分。チェンジアップをまじえた配球もよく、やがて球界を背負って立つ投手に育つだろうと思わせた。

藤平は高校時代、打撃でも鋭いスイングでスカウトたちをうならせた=共同

藤平は高校時代、打撃でも鋭いスイングでスカウトたちをうならせた=共同

投球以上に期待されたのは、その打撃だった。横浜高では7番を打っていたが、投げないときは外野へ回り、打線から外れることはなかった。出場した昨夏の甲子園大会でも先発から外野、外野から救援とフル出場し、2試合で3安打を放った。その鋭いスイングは「プロでも打者で通用する」とスカウトたちをうならせたほどだった。

だが、デビュー戦では五回で降板したため、1打席にしか立てなかった。それも送りバントだったので、日本ハム・大谷翔平のように投打二刀流の可能性を秘めた姿を全部見ることはできなかった。

予想されたことだが、セ・パ交流戦でパの各球団は指名打者制(DH)を使えないセ本拠地での試合で苦しんだ。打席に立った投手が送りバントを決めてくれたら万々歳。大半は腰が引けたスイングで内野ゴロか三振に倒れる。2006年の阪神―西武戦(甲子園)で藤平の横浜高の先輩、当時西武の松坂大輔が本塁打を放ったのは珍しい出来事。今年の交流戦でパの投手が放った安打はオリックス・西勇輝ら4投手の計4本だけだった。

次第にさびつく打撃技術

野球を始めるころには、最もセンスのいい少年が投手をやる。高校ぐらいまではエースで4番打者という選手が多い。だから、プロの投手には"元強打者"がゴロゴロといる。選手層が厚い大学、社会人野球へ進んで打撃練習の機会が減り、次第に打てなくなる。プロでは投打守走の役割分担が進み、投手の打撃練習は減る。救援投手などは試合で打席に立つこともほとんどない。

DH制を採用しているパだと、投手にとってバットは無用。交流戦や日本シリーズの前に少し練習するだけで、打撃技術は次第にさびついていく。プロ入り当初ならともかく、3年も経つと130キロの速球におびえ、打とうという意欲も湧かない。打線に並ぶ9人のうち1人がこの状態では、試合の進め方にも大きな制約がある。

それでも、打つのが大好きという投手は多い。阪神・能見篤史やメッセンジャーはうれしそうに打撃練習をし、好打も放つ。ドジャース入りした元広島・前田健太は打者も顔負けの鋭い当たりを飛ばし、自らの白星をサポートする。日本ハムは大谷を投手専任にするのが得策と思われるが、二刀流を捨て切れない。投手をやりたいが、打つのはもっと好きという大谷の意向が強く働いているとみられる。

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