2018年9月22日(土)

姉妹で頂点 夢へ加速 スケート高木菜那、美帆
連係は抜群 日々切磋琢磨

2017/6/22 2:30
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 姉妹が置かれた立場は4年前とはまるで違う。スピードスケートの高木菜那(24、日本電産サンキョー)と高木美帆(23、日体大助手)。日本勢のメダルが2大会ぶりにゼロとなった前回のソチ五輪では、姉の菜那は辛くも代表入り、妹の美帆は落選の憂き目を見た。

 だが、そこから2人は「日本チーム」の主軸として世界で実績を積み上げてきた。女子団体追い抜きはワールドカップ(W杯)で2年連続総合優勝を果たし、平昌五輪の前哨戦となった2月の世界距離別選手権では銀メダル。新種目のマススタートでは、同選手権で美帆のアシストを受けた菜那が銀メダルを獲得した。菜那は力を込めて言う。「世界のトップで戦えているという、自信がついてきている。この2種目はメダルを狙いたいというより、確実に取っていかないといけない」

 大勢の選手が一斉に周回して順位を争うマススタート。おとり役もいてチーム戦の趣がある新種目で、2人は抜群の連係を見せてきた。司令塔役の菜那が「姉妹だから何でも言い合えて気を使わないし、作戦がスムーズにできる」と言えば、美帆も「(レース中に)姉ならここにいるんじゃないかなというとき、予想通りのところにいる」。

 3選手が隊列を組んでタイムを競う団体追い抜きでも、菜那が「(押切美沙紀を含めた)今やっているメンバーは足をすごく合わせやすいし、3年間やってきた安心感がある」と言うように、一糸乱れぬ隊列で結果を残してきた。姉妹のあうんの呼吸が日本の大きな武器の一つになっている。

 2人は今、北海道・網走にいる。28日まで行われるナショナルチームの強化合宿。9月にも始まる氷上練習に備え、自転車やインラインスケート、ウエートトレーニングなど体力強化に明け暮れる日々だ。21日は90キロの距離を3時間弱かけて自転車で走破した。

 「追い込むトレーニングができている。充実している」と菜那。美帆ともども見据えるのは「個のレベルアップ」。菜那は故障から回復傾向にある右膝に負担がかからない体の使い方を模索。美帆は昨季レース後半に生じた上半身のブレをなくすため、どの練習も常に体幹などを意識する。練習の一つ一つを実際の滑りにどう結びつけるか、頭の中もフル回転だ。

 個人種目でも躍進を遂げた美帆は昨季、W杯で初優勝するなど何度も表彰台に立った。その勇姿を目の当たりにし、菜那は発奮した。「同じ日本人で、それも姉妹。(個人種目で)自分もそこまでいけるという現実味が出てきた」。対する美帆も「道具へのこだわりや練習するときの意識など、姉を見て気づく」と日々刺激を受ける。抜きつ抜かれつ、姉妹で切磋琢磨(せっさたくま)してきたからこそ今がある。

 五輪出場はともに1度あるが、同時に出たことはない。「2人で出て、2人で金メダルを取って、(両親に)恩返しするのが一番」と菜那。姉妹での頂点は決して夢物語ではない。

(金子英介)

 たかぎ・なな、みほ 北海道幕別町出身。菜那は2014年ソチ五輪女子団体追い抜き4位。美帆は中学3年の15歳で10年バンクーバー五輪出場、17年世界距離別選手権女子1500メートル銅メダル。

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