2019年2月20日(水)

万能AIへ一歩? 米グーグルが機械学習の新モデル

2017/6/23 6:30
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VentureBeat

米グーグルは、未来の機械学習の設計図を示している可能性がある論文をさらりと発表した。「単独で全てを学習するモデル(One Model to Learn Them All)」と題したこの論文では、単独で複数のタスクをこなせる機械学習モデルを構築する枠組みについて説明している。

■複数のタスクで訓練、1つで訓練より精度が向上

「マルチモデル」と呼ばれるこのモデルは、翻訳や構文解析、音声認識、画像認識、物体検出など様々なタスクの訓練を受けた。従来の訓練手法に比べて劇的に成果が向上したわけではないが、機械学習システムに複数のタスクの訓練を施すと、全体の性能が向上する可能性があることが示されている。

例えば、マルチモデルに全ての可能なタスクを訓練すると、1つのタスクだけを訓練した場合に比べ、機械翻訳や会話、構文分析の精度が向上した。

グーグルの論文は、現在主流となっている狭い範囲の問題解決モデルよりも用途が広く、精度も高い未来の機械学習システムに向けた開発の枠組みを示している可能性がある。さらに、こうしたテクニック(またはこうしたテクニックから生じるシステム)では、有益な機械学習アルゴリズムの開発に必要な訓練データの量を減らせるかもしれない。

なぜなら、マルチモデルに全ての可能なタスクを訓練すると、訓練データの少ないタスクでも精度が向上することが今回の研究で示されたからだ。十分な訓練データセットを集めるのが難しい分野もあるため、この点は重要だ。

■複数の分野に対応したAIの開発に役立つ可能性

もっとも、グーグルは一度に全てを学べる「万能アルゴリズム」を開発したとは言っていない。マルチモデルのネットワークには、その名の通り様々な課題に専門的に対応するシステムや、こうした専門アルゴリズムに直接インプットする支援システムも含まれる。今回の研究で示されたのは、複数の分野に対応できる同様のシステムを将来開発する際、グーグルの手法が役に立つ可能性があるという点だ。

今後相次ぐ検証にも注目だ。グーグルの研究結果は実証されていないため、この研究を他の分野にどれほど一般化できるかは分からない。グーグルで人工知能(AI)の開発を担うチーム「グーグルブレイン」は、オープンソースプロジェクト「テンサーフロー」の一環としてマルチモデルのコードを公開している。このため、外部の研究者もマルチモデルを使って実験したり、調査したりできる。

グーグルは改善に向けた道筋も理解している。一部システムの固定パラメーター(機械学習の専門用語では「ハイパーパラメーター」という)の最適化に多くの時間をかけていないため、さらに広い範囲で調整を施せば精度が向上する可能性があると指摘している。

By Blair Hanley

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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