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日本の音楽コンクール 米カーネギーホールで成果問う

大阪国際とセシリア国際 北米で初の挑戦

NIKKEI STYLE

大阪国際音楽コンクールとセシリア国際音楽コンクール。大阪と東京を拠点とする2つのコンクールが手を組み、入賞者によるガラコンサートをこのほど、米ニューヨーク市内のカーネギーホール(ワイル・リサイタルホール)で開いた。ともに世界的なコンクールへ出場する前の腕試しの場として、若手音楽家の発掘に当たってきたが、知名度向上と出身者紹介を目的とするガラを北米圏で行ったのは初めて。アマチュアからプロ、バイオリンからピアノ、声楽まで幅広いジャンルの15組16人の参加者の熱演に、客席はわいた。

大阪国際は2000年開始。これまで17回のコンクールを実施した。セシリア国際はこれまで11回開催。いずれも参加者の国籍を問わず、日本人でも海外から参加してくるケースがある。

年齢層も幅広く、今回もサラサーテのバイオリン曲「ナバラ」をニューヨーク出身の小学生と中学生、イナとフィオーナのクォン=フー姉妹がはつらつと奏でたり、アマチュアピアニストとして知られる神戸市の50代の医学博士、栗本康夫さんがワーグナー作曲、リスト編曲の「イゾルデ愛の死」で全体を締めくくったり……。事前の予想を超える水準の高さが、ニューヨーカーを驚かせた。

「世界三大ホールの一つ」と呼ばれるカーネギーホールでの開催を両コンクールの主宰者、セシリアの吉川朝子さんと大阪の北野蓉子さんは「今後の知名度確立の布石」と考えている。出場者にとっても、同ホールでの演奏はキャリア上のメリットが大きい。

パリ国立高等音楽院に留学中のピアニスト、丸山凪乃(なぎの)さん(17)は日本の親友が勧めたというリストの「コンソレーション第3番」と「ラ・カンパネラ」を演奏。「ヨーロッパだと教会で弾いたりして、音響の質に悩まされることも多いのですが、カーネギーはコンサートホールとしての環境がとてもよく、非常にいい経験になりました」と、興奮の面持ちで話していた。

(ニューヨーク 河内真帆)

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