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不振のアルゼンチン W杯出場の鍵は信頼と自信
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2017/6/16 6:30
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現在、世界各地で行われているサッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会予選で最大の驚きの一つが、南米の強豪アルゼンチンの不振だろう。

1978年と86年のW杯で優勝し、マラドーナ、メッシ(バルセロナ)ら世界サッカー史上に輝くスーパースターを輩出し、2014年大会でも準優勝した超大国が、南米予選の全18節のうち14節が終わった時点で参加10カ国の中の5位に沈んでいる。この順位のままならオセアニア地域代表との大陸間プレーオフを戦う必要がある。残り4節の結果次第では6位以下に転落し、70年大会以来の予選敗退という屈辱を味わう可能性もある。

昨年3月の第6節終了時点の順位は3位。6月のコパ・アメリカ(南米選手権)創設100周年記念大会で準優勝し、チームづくりが軌道に乗りつつあると思われた。しかし、この大会で優勝を逃した責任を取ってヘラルド・マルティーノ監督が辞任し、エドガルド・バウサ氏が後任に就いた。

新監督、若手を積極起用

ここからチームが迷走する。FW、MF、DFの3ライン間の距離が間延びして、攻撃と守備が分断された。前線からのプレスが効かず、最終ラインが相手の攻撃に直接さらされて失点が増えた。攻撃陣も大黒柱のメッシが故障で欠場を繰り返し、CFイグアイン(ユベントス)らFWが不振を極めた。第14節終了後、バウサ監督が更迭され、チリ代表やセビージャなどを率いて実績を残したホルヘ・サンパオリ氏が新監督に就任した。

サンパオリ氏が志向するのは、3ラインを常にコンパクトに保ち、敵陣から相手選手に強烈なプレスをかけ、ボールを奪うと人数をかけて攻撃し、常に主導権を握る戦い方だ。最終ラインからでも、しっかりパスをつないで攻撃を組み立てる。選手の技術と判断力を信頼し、リスクを冒してでも攻守両面で積極的にプレーするのが特長だ。

監督就任後最初の試合が、今月9日にオーストラリア・メルボルンで行われた宿敵ブラジルとの強化試合だった。南米予選で首位を独走してすでに来年のW杯出場権を獲得しているブラジルは、エース・ネイマール(バルセロナ)をはじめとするレギュラー7人を休ませた。一方のアルゼンチンはメッシを含むベストメンバー。南米予選で結果を残せなかったベテラン、中堅に代えて23歳のディバラ(ユベントス)ら若手を起用し、「過去の実績ではなく、現在のコンディションを重視する」というメッセージを発信した。

選手たちは試合の序盤からブラジル選手に猛然と襲いかかった。ボールを持つ相手選手を3人、4人で取り囲むというこれまでついぞ見られなかった光景が続出し、ボランチも速い縦パスを前線へ送って攻撃を活性化した。

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