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トランプ氏を意識?イエレン議長の本音は?

2017/6/13 11:19
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 「バーナンキさん、バランスシート縮小という仕事を、やり残しましたよね(笑)」

 「あなたが引き継いでくれて助かりました(笑)」

 昨年4月7日、ボルカー、グリーンスパン、バーナンキ、イエレンというそうそうたる米連邦準備理事会(FRB)現元前議長たちがフォーラムで討論したときのイエレン氏発言である。冗談めかして笑顔で語ったが、本音であろう。バーナンキ前議長はばら撒くだけばら撒き、自分はその後始末、との思いがにじむ。

 量的緩和も壮大な実験であったが、その結果、約4.5兆ドルにまで膨張したFRBバランスシート縮小も全く未知の領域で壮大な実験である。

 イエレン氏にはその難題に少なくとも任期中には道筋をつけたい、との義務感があろう。

 一方、バーナンキ氏は自らの「テーパリング(緩和縮小)発言」がいわゆるバーナンキ・ショックを誘発した苦い経験を持つだけに、自らのブログでも「バランスシート縮小は、とにかく慎重のうえにも慎重に」というようなニュアンスの言い回しで警鐘を鳴らしている。

 そのバーナンキ氏に比べ、イエレン氏は、もう一つ難題を抱える。

 トランプ大統領の存在だ。選挙運動中には「現FRB議長は更迭する」とまで言い放った。

 イエレン氏の任期中にも、既にトランプ氏が選んだFRB副議長・理事が徐々にイエレン氏率いるFRBに「入閣」しつつある。米国の中央銀行はトランプ色に染まっていきそうだ。

 しかも、トランプ氏は米連邦公開市場委員会(FOMC)の機先を制するがごとく、「私は低金利を好む」と公言してはばからない。ここでイエレン氏が利上げを先送りするようなことがあれば、FRBの政治的独立性が問われかねない。

 さらにトランプ氏の提唱する大型減税・インフラ投資などの財政政策の実現性も、金融政策決定にあたり重要な判断基準になっている。

 利上げ決断は「データ次第」とされるが、実際は「トランプ氏次第」になりつつあるようにも見える。

 市場は、イエレン氏が年内にも金融正常化の最終段階に踏み込むと読んでいる。

 その場合、バランスシート縮小を開始すれば、利上げは「1回休み」となりそうだ。イエレン氏の側近、ニューヨーク連銀のダドリー総裁も、その可能性に言及している。

 今回のFOMCでは利上げとバランスシート縮小との組み合わせについて、どのような議論が行われるのか。これまでになかった新たな視点が重要になるだろう。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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