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日本ハムの主砲・中田翔、3番からの再出発
編集委員 篠山正幸

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2017/6/13 6:30
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2番に最強の打者を置く打順編成も目立つ昨今、3番だ、4番だと騒ぐところではないのだろうが、日本ハム・中田翔(28)に限ってはそうもいかない。4番といえばこの人、というくらい中心打者の伝統的なイメージを担ってきた選手。プロ初の3番での起用は低迷するチーム、本人にどんな変化をもたらすのか。

今季の中田は打撃の調子がなかなか上がらなかった=共同

今季の中田は打撃の調子がなかなか上がらなかった=共同

プロ野球屈指の伝統を持つ巨人の公式ガイドには歴代4番の選手名と記録が載っている。2017年版では初代4番永沢富士雄(1936年)から、昨年9試合で4番を務めたルイス・クルーズまで、86代にわたる系譜をたどることができる。4番は特別なポジションであるという認識にはそれなりの伝統があるということの一例だ。

王貞治現ソフトバンク球団会長は「僕が4番を打つこともあれば、長嶋(茂雄)さんが4番を打つこともあった。3番でも4番でも意識はしなかった」と話している。長嶋さんも監督時代に「3番打者最強説」を唱えたこともあり、ONたち自身、そこまで4番にこだわった形跡はない。

先発したときは4番が指定席

4番の特別視は一体どこから始まったのか、不明な部分もあるわけだが、ともかく日本球界では打線の要として、特別なポストととらえられてきたのは確かだ。

中田は2012年に栗山英樹監督が就任してからはずっと、その役目を担ってきた。代打にとって代わられることもあれば、事実上の成績不振でラインアップからはずれたこともある。しかし先発したときは4番。それはほかの誰も侵すことのできない指定席だった。

今季の中田は、同じくワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場組の筒香嘉智(DeNA)とともに、なかなか調子が上がらなかった。

必ずしもWBCの影響というわけではないにしても、シーズン前に日本シリーズ、あるいはそれ以上の重圧がかかるひと山を越えてきたことを考えれば、心身の疲労に想像以上のものがあったとみていい。

交流戦、5連敗中だった日本ハムは13連敗中だった巨人を9日から、地元札幌ドームに迎えた。その初戦、巨人のマイルズ・マイコラスから1点しか奪えず、敗れた。4番の中田は1安打をマークしたものの、4試合連続で打点なし。

この時点で打率2割2分8厘。それでも打点さえ挙げられれば、務めを果たしたことになるわけだが、28打点。リーグトップの柳田悠岐、アルフレド・デスパイネ(ともにソフトバンク)がその時点で52打点をたたき出し、僚友のブランドン・レアードも44打点を稼いでいたところからすると、寂しい数字だった。

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