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ラグビー代表戦3連戦、日本は新戦術の精度高めよ

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2017/6/9 6:30
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ラグビー日本代表が10日からルーマニア、アイルランドとのテストマッチ3連戦に挑む。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の対戦相手も決まり、本番を想定した貴重な準備の機会になる。この3試合で注目すべき点を考えてみた。

戦い方への信念、まだ持ちきれず

今回の代表メンバーの大半はスーパーラグビーに参戦しているサンウルブズから選ばれた。そのサンウルブズの戦いぶりを見ると、日本代表が乗り越えるべき課題が浮かび上がる。今季は15試合中12試合を消化して1勝11敗。選手個々では確実に成長しているのに、勝ちきれない試合が続いている。

4月のニュージーランド遠征は、苦戦が予想されながらもいい試合があった。5月6日に敵地ブエノスアイレスで戦ったジャガーズ戦も終盤まではリードしていた。しかし、最後の9分間に2トライを奪われて逆転負け。地球の真裏までの移動や4週間の遠征の疲労は重かったはずだが、理由はほかにもあったのではないだろうか。

それは自分たちの戦い方への信念である。昨秋のジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ(HC)就任後、サンウルブズと日本代表は新しい戦術を取り入れた。キックを多用し、アンストラクチャーと呼ばれる互いの陣形が乱れた状態を増やす戦い方だ。

日本のほとんどの選手にとって、あまりなじみのない形。サンウルブズのシーズン前の準備期間が短かったこともあり、選手自身も「これが正しいやり方なんだ」という自信をまだ持ちきれていないような気がする。

それがパフォーマンスの不安定さにつながっているのではないだろうか。今のサンウルブズは試合ごとの好不調の波が激しく、1試合の中でもいいプレーができる時間帯とできない時間帯がある。

今月の3連戦は、こうした課題を乗り越える場にしてほしい。期待できる要素の一つが、15年W杯を戦った選手の復帰である。

今回はFW第3列にリーチ・マイケル(東芝)、ツイ・ヘンドリック(サントリー)、アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)の3人が合流した。3人ともサンウルブズには参加せず、海外チームでスーパーラグビーを戦っている。リーチ、ツイの2人はW杯後、初の代表復帰にもなる。

リーチのリーダーシップに期待

リーチは必要なときに必要なことを言ってくれるタイプ=共同

リーチは必要なときに必要なことを言ってくれるタイプ=共同

中でも、W杯で主将を務めたリーチにはリーダーシップで大いに期待したい。彼は必要なときに必要なことを言ってくれるタイプ。練習中から声を出して、気を引き締めなければいけない時間帯を意識させるなどチームの意識を高めてくれると思う。

今週、日本代表の合宿を訪れてリーチと話したが、しばらく離れていたことがプラスに働いたようで、代表でもう一度やりたいという気持ちが高まったようだ。

3人の合流は戦力的にも大幅なプラスになる。リーチとツイは、流れを変えるような激しいタックルや、ボールを持っての突進でチームに勢いを与えてくれるだろう。マフィはピッチの外側に立ってボールを大きく前に運ぶプレーにも期待したい。

3人とも、キックの多い現在の日本代表のスタイルには慣れていない。そうした事情もあるのだろう。今週前半の代表合宿では基本的な動きを確認することに時間を費やしていた。経験豊富な3人だから、なじむまでにそう時間はかからないはずだ。

厚みを増したFW第3列の一方、今回の3試合で軸となる選手に出てきてほしいのがロックである。最も大柄な選手が務めるこのポジションはFW戦の核になるが、15年W杯の主力の多くが代表を退いた。残り少ないW杯組の真壁伸弥(サントリー)もケガでチームを離れた。ヘル・ウベ(ヤマハ発動機)ら新しい選手に実力を示してもらいたいところ。

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