2019年7月18日(木)

子供と一緒、シェアオフィス ザイマックスが展開

2017/6/7 6:30
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不動産活用のザイマックス(東京・港)が、企業向けに育児中の社員が子どもと一緒に出勤できるサテライトオフィスの展開を始めた。子どもはガラス張りのスペースで保育スタッフが面倒を見てくれるが、保育所ではない。複数の企業の社員でシェアするのも特徴だ。仕事と育児を両立したい人に会社や在宅勤務に次ぐ第3の働き方として提案する。

キッズスペースで遊ぶ子どもたち。親はガラスで仕切られた隣のオフィスで仕事をする(川崎市)

キッズスペースで遊ぶ子どもたち。親はガラスで仕切られた隣のオフィスで仕事をする(川崎市)

東急田園都市線の鷺沼駅(川崎市)から徒歩3分。ザイマックスが展開する託児スペース付きシェアオフィス「ちょくちょく」はビルの2階にある。4月下旬、リクルートホールディングス(HD)に勤務する小清水倫子さんが4歳の息子と一緒に「出勤」した。

息子を「キッズスペース」に預け、小清水さんはキッズスペースとガラスで仕切られた隣のワーキングスペースへと向かう。ガラスの向こう側で楽しそうに遊ぶ息子の姿を確認すると、小清水さんはノートパソコンを開いて仕事を始めた。

ザイマックスとリクルートHDは昨年10月からキッズスペースを併設したサテライトオフィスの共同利用実験をしている。「子どもを持つ社員に、働き方の選択肢を増やしたいと思って始めた」。リクルートHDの働き方変革推進部の馬立純一さんはこう話す。

リクルートはJR東京駅近くの本社(東京・千代田)に企業内託児所を設けているが、馬立さんは「郊外から東京駅まで満員電車で子どもと出勤するのは大変。保育所は定員もあり、希望者全員が利用できるわけではない」と説明する。

子どもの学校が急に休校になったり、夏休みが長かったりすると、家で子どもの面倒を見ながらリモートワークをする社員も多かったという。

馬立さんはキッズスペース付サテライトオフィスの利点を「より集中して仕事に取り組める」と強調する。小清水さんは「子どもの面倒は保育スタッフが見てくれるので、家で仕事をするときよりも仕事に集中できる」と話す。自宅から鷺沼駅までは30分以上かかるが「息子は遠足気分で楽しそう。仕事もはかどるので、既に複数回利用している」と話す。

保育所と異なり、子どものオムツを交換したり、ご飯を食べさせたりするのは保護者の役割だ。スタッフが声をかけると保護者は仕事を中断し子どものもとに向かう。子どもが保護者の観察下にあり、世話をするのも保護者。そのため児童福祉法の保育業には該当しない。制約が少ない分、複数展開しやすい。

ザイマックスは企業向け福利厚生サービスの一環としてサテライトオフィスを首都圏などで30カ所展開する。このうち品川と鷺沼の2カ所でキッズスペースを併設した。リクルートのほか、ソフトバンクアサヒグループホールディングス伊藤忠エネクスが参画し、共同利用している。

4社の社員計約7000人(子どもがいない社員含む)が利用者登録している。費用は参加企業が社員の使用分に応じて支払い、利用した社員は直接負担しない。

自社でサテライトオフィスや託児所を用意するには膨大な費用がかかる。複数社で連携することにより、設備投資の負担や利用料金の低下が見込め、参画企業にとってもメリットは大きい。

3月にはザイマックスが事務局となりキッズスペース共同利用協議会を設立した。共同利用のルール作りや社員がどのような場所に拠点を設けてほしいのかなどの要望を聞き、郊外中心に拠点整備を進める方針だ。

(企業報道部 斉藤美保)

[日経産業新聞 6月7日付]

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