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サイバー、人海戦術でネット広告24時間監視

サイバーエージェントは企業や商品・サービスのイメージを損なう可能性のあるインターネット媒体に、広告が掲載されていないかを人手で監視するサービスを始める。専門部署を立ちあげて24時間、広告主にとって好ましくないページに掲載されていないか見張る。ネット広告で発生する事故を防ぎ、広告主のブランド価値を保護する。

広告の配信サイト監視サービス「CAブランドセキュリティ」を月内に始める。6日に監視部門「ブランドセキュリティセンター」を設置し、10人体制で常時監視する。1日に広告主1社あたり1万ページ前後をチェックする。当面は静止画面を対象とするが、広告が流れる動画サイトやアプリの画面にまで拡大することを検討している。

ネット広告は広告主とネット媒体を運営するメディアのシステムが結びついており、自動的に取引を成立させる仕組み。広告主は広告のサイズや金額など、メディアは掲載場所や広告単価などを登録する。互いの条件が合致すると掲載につながるが、広告主が意図していない媒体に掲載されるケースが発生する。

同サービスではまず、アダルトサイトなど広告の掲載場所としてそぐわない配信先を事前に除外する。そのうえで広告を配信したあと、ニュースサイトで交通事故や食中毒発生を報じる記事のページに、自動車関連商品や食品の広告が掲載されるような事例がないかを監視する。

フェイスブックなどのSNS(交流サイト)も確認する。掲載した広告に対して、広告主への中傷など悪質なコメントが書きこまれていないか監視する。企業や商品・サービスのブランド価値を損なう可能性のある投稿を見つけ次第、広告主に確認したうえで配信を停止する。

配信停止の基準はサイバーエージェントが独自に設けるが、将来は人工知能(AI)の機械学習機能を使って監視の精度を高める方針だ。同サービスでは配信停止の詳細な状況のほか、広告の閲覧数や配信でどれだけ実際の購入につながったかなどを示す「コンバージョン率」も提供する。

広告主のブランド価値を保護するため、最近は広告を配信するネット媒体を事前に絞ったり、参加者を限定して取引したりする取り組みが広がっている。ただ、過度な制限によってPR効果の見込める媒体への配信を見送るなど、機会損失が発生するケースも出てきているという。

サイバーエージェントは配信制限を最小限に抑えつつ、広告効果を最大に発揮できる仕組みとして同サービスの需要を見込む。イー・ガーディアンもAIを使い、広告がアダルト画像などと掲載されていないかを監視する「ロカソリューション」を提供している。AIが判断できないときは目視で確認し、判定結果をAIに学ばせる。広告主のブランド価値を保護するサービスはさらに増えそうだ。

(企業報道部 毛芝雄己)

[日経産業新聞 2017年6月6日付]

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