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7人制男子、「降格」招いたラグビー界の構造問題
世界大会でコアチームから陥落

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2017/6/2 6:30
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ニュージーランドから金星を挙げて4位に入ったリオデジャネイロ五輪から10カ月。ラグビー7人制男子日本代表が苦しんでいる。今季の世界大会「ワールドシリーズ」は総合15位と低迷。同シリーズに常時出場できる「コアチーム」の椅子を失った。2020年東京五輪まであと3年強だが、日本のラグビー界は7人制を取り巻く構造的な問題を解決できていない。

年間通じ結果出し続ける難しさ

ワールドシリーズは年10大会を行い、各大会の順位に応じて得られるポイントの合計で年間順位を決める。5月まで行われた今季、日本は10大会のうち5大会で最下位。合計ポイントは20、総合順位は15位だった。

この数字は、前回コアチームとして戦った2年前の21ポイント、15位とほぼ同じ。一発勝負の五輪と違い、1年を通して結果を出し続けることはそもそも簡単ではない。

ただ、コアチームからの陥落が、メダル獲得を目指す東京五輪に向けて痛手となるのは事実。来年のワールドシリーズの出場は数大会に限られるだろう。リオ五輪にも出場した坂井克行(豊田自動織機)は「世界で戦える舞台を失ったのは非常に残念」と悔やむ。

不振の原因はいくつかある。まず挙げられるのが主力の"引退"だ。

エースのレメキ・ロマノラバ、俊足バックスの福岡堅樹、後藤輝也……。リオ五輪を戦った日本代表12人の多くは今季、7人制をプレーしなかった。

トップリーグやスーパーラグビーのサンウルブズなどで15人制に専念する彼らが見据えるのは、19年ワールドカップ(W杯)日本大会。「五輪に1度出たから、次は15人制のW杯に出たいという選手の気持ちはわかる。初めての自国開催だからなおさらだろう」。7人制日本代表の岩渕健輔総監督は理解を示すが、20年東京五輪の前に19年W杯が行われるという順番は、7人制の強化に微妙な影響を及ぼしている。

強豪国、リオから一貫して強化

日本と対照的に、強豪国はリオ五輪から一貫した強化を進めている。「リオ五輪に出たチームは今季のワールドシリーズでもほとんどメンバーが変わっていなかった」と坂井は話す。

日本国内には7人制を日常的にプレーする環境がない。抜けた選手の代わりに代表に招集されたメンバーも7人制の経験は豊富ではなかった。

新しい指導陣や戦術が、結果を出すまでの時間も足りなかったか。五輪後に退任した瀬川智広ヘッドコーチ(HC)の代わりに就任したのが、ダミアン・カラウナHC。

リオ五輪ではニュージーランド代表のコーチを務め、世界でも貴重な7人制のノウハウを持つ。現役時代にはサニックス(現宗像サニックス)でもプレー。日本の文化を知る指揮官はチームに新しい色を入れようとした。

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