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U20日本代表、東京五輪へ求められる「野心」
サッカージャーナリスト 大住良之

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2017/6/2 6:30
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堂安の活躍は得点だけにとどまらない。果敢なドリブルで何回も攻撃を切り開き、日本ではただ一人安定して攻撃的なパスを供給した選手となった。

昨年10月に行われたアジア予選では優勝したことで大会最優秀選手(MVP)に選出された堂安だったが、その当時のプレーは決してチームをけん引する類いのものではなかった。右のタッチラインに張り付き、パスを受けてはバックパスをするだけ。私は「まるで35歳のマラドーナ」とまで書いた。

堂安は「チームMVP」といえる活躍だった=共同

堂安は「チームMVP」といえる活躍だった=共同

だが今大会では、1対1の状況では果敢にドリブルを仕掛け、しかもボールを失わず、そこから何回もチャンスを生みだした。間違いなく「チームMVP」の活躍だった。

不運だったFW小川の負傷

不運だったのはFW小川航基(磐田)だ。ウルグアイ戦の20分、失ったボールを無理に奪いにいき、左ひざの大けがを負った。前十字じん帯断裂、半月板損傷という重傷だった。

小川はDF中山雄太(柏)、MF堂安とともにこのチームの「柱」の一人だった。器用とはいえないが、183センチの長身を生かして前線にポイントをつくり、ダイナミックなシュート力でこれまで多くの得点を生んできた。同じタイプのFWとしては田川亨介(鳥栖)がいたが、粗削りで小川の代わりになれなかった。

小川を失ったことは、内山篤監督のこの大会のプランを大きく狂わせたはずだ。小川と組んだFW岩崎悠人(京都)にとっても、ポストプレーヤーの小川の周囲を激しく動いてボールを拾いまくるタイプだけに、イタリア戦の前半途中からは自らが小川の役割を果たさなければならなくなり、持ち前の機動力を生かすことができなかった。

堂安が得点を量産するまでこのチームの話題を独占したのがMF久保だった。01年6月4日生まれ。ベネズエラ戦で勝っていれば準々決勝の日に16歳の誕生日を迎えるはずだったが、残念ながら15歳のまま大会を終えた。

「すでにU-17のレベルでプレーする選手ではない」。久保は本来、今年10月に世界大会に出場するU-17日本代表選手だったが、内山監督がそう言って大抜てきした。しかし結論からいえば「時期尚早」だった。

久保は南アフリカ戦の59分から出場、いきなり天才ぶりを見せつけるスルーパスで小川にビッグチャンスをつくり、72分には堂安の決勝ゴールにアシストして鮮やかな「デビュー」を飾った。しかしウルグアイ戦ではドリブルすれば追い抜かれてボールを奪われ、パスを受けようとすると自分より20キロほども重い選手たちに体をぶつけられて倒れた。

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