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国を開く フランスは難路を選んだ(IN FOCUS)

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2017/5/30 7:00
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フランス大統領に決まったマクロン氏の祝勝集会で三色旗を振る女性。「自由、平等、友愛」と叫んだ(5月7日、パリ・ルーヴル)

フランス大統領に決まったマクロン氏の祝勝集会で三色旗を振る女性。「自由、平等、友愛」と叫んだ(5月7日、パリ・ルーヴル)

フランス大統領選は中道マクロン氏が極右ルペン氏を破った。広がるポピュリズム(大衆迎合主義)の波はフランスが防波堤となって食い止めた格好だ。移民受け入れの是非を問う議論は一旦収まったが、新政権が抱える課題として残る。

投開票日の5月7日夜、パリ・ルーヴル美術館の中庭は青、白、赤の仏国旗で埋め尽くされた。ステージでマクロン氏が「過激思想に傾く必要のない国を造る」と述べると大きな歓声が上がる。参加した20歳の男性は「ルペン氏の排他的な考えだけは避けたかった」と感激した。

世論調査によると、マクロン氏支持者の半数以上は「ルペン氏を止める」という理由で投票した。反移民の世論盛り上がりを期待したルペン氏だったが、仏国民は国を開く道を選んだ。

ただ移民排斥の議論が再燃焼する火種はあちこちにある。パリ郊外クリシーでは最近、イスラム教徒が車道で金曜礼拝をしている。「モスク閉鎖への抗議だ」と参加者が説明する一方、「宗教の押しつけだ」(85歳女性)など周辺住民とのあつれきを生んでいる。

難民も毎日約100人がパリに入るとされ、無許可のキャンプが仏各地にできては解体されを繰り返す。ある支援団体は「解体すれば問題が解決すると錯覚する風潮が出ている」と危惧する。

マクロン氏は火種を消し国の融和ができるのか。国民の審判は2022年次回大統領選で明らかになる。(パリ支局長 白石透冴)

移民の制限など反欧州連合(EU)の政策を掲げる極右候補のルペン氏(中央)がマクロン氏との決選投票に進んだ(5月1日、パリ郊外ビルパントで開かれた集会)

移民の制限など反欧州連合(EU)の政策を掲げる極右候補のルペン氏(中央)がマクロン氏との決選投票に進んだ(5月1日、パリ郊外ビルパントで開かれた集会)

投票日前日、極右ルペン氏のポスター(左)は落書きされ、似顔絵には「恐怖」と書かれていた。マクロン氏支持者の半数以上は「ルペン氏を止める」という理由で投票した(5月6日、パリ)

投票日前日、極右ルペン氏のポスター(左)は落書きされ、似顔絵には「恐怖」と書かれていた。マクロン氏支持者の半数以上は「ルペン氏を止める」という理由で投票した(5月6日、パリ)

国籍が違う難民同士の争いから火災が発生し、閉鎖された難民キャンプの跡地。診療所の窓ガラスは割れたままだった(5月4日、仏北部グランド・シント)

国籍が違う難民同士の争いから火災が発生し、閉鎖された難民キャンプの跡地。診療所の窓ガラスは割れたままだった(5月4日、仏北部グランド・シント)

難民キャンプが閉鎖されてもなお、その近くで潜むように生活を続ける人たち。英国へ渡りたい人たちに多いという(5月4日、仏北部グランド・シント)

難民キャンプが閉鎖されてもなお、その近くで潜むように生活を続ける人たち。英国へ渡りたい人たちに多いという(5月4日、仏北部グランド・シント)

閉鎖された難民キャンプに残る支援のメッセージ(5月4日、仏北部グランド・シント)

閉鎖された難民キャンプに残る支援のメッセージ(5月4日、仏北部グランド・シント)

フランス北部のカレー港近くでバックミラーに映る英国へ行き来するトラック。コンテナに忍び込み、海を渡ろうとする難民もいる(5月4日)

フランス北部のカレー港近くでバックミラーに映る英国へ行き来するトラック。コンテナに忍び込み、海を渡ろうとする難民もいる(5月4日)

「シリア人」と書かれた紙を手に市場の路上で小銭を乞う女性。近くの商店主は「シリア人かどうかはかなり疑わしい」と話した。地下鉄や繁華街などいたるところで「シリア人」を見かける(5月7日、パリ郊外サンドニ)

「シリア人」と書かれた紙を手に市場の路上で小銭を乞う女性。近くの商店主は「シリア人かどうかはかなり疑わしい」と話した。地下鉄や繁華街などいたるところで「シリア人」を見かける(5月7日、パリ郊外サンドニ)

難民のための無料のフランス語の「青空教室」が、ボランティアによって毎日夕方に公園で開かれている(4月29日、パリ)

難民のための無料のフランス語の「青空教室」が、ボランティアによって毎日夕方に公園で開かれている(4月29日、パリ)

モスクが閉鎖されたことに抗議するため路上で金曜礼拝をするイスラム教徒。非イスラム系住民とのあつれきも生まれている(4月21日、パリ郊外クリシー)

モスクが閉鎖されたことに抗議するため路上で金曜礼拝をするイスラム教徒。非イスラム系住民とのあつれきも生まれている(4月21日、パリ郊外クリシー)

金曜礼拝で祈りをささげるイスラム教徒の男性が、雨上がりの水たまりに映った(5月12日、パリ郊外クリシー)

金曜礼拝で祈りをささげるイスラム教徒の男性が、雨上がりの水たまりに映った(5月12日、パリ郊外クリシー)

マクロン氏が表紙の雑誌広告と、ガラスに映る街を行き交う人たち。移民大国フランスはEU残留を選んだ。マクロン新大統領は難民問題とどう向き合っていくのだろうか(5月9日、パリ)=浅原敬一郎撮影

マクロン氏が表紙の雑誌広告と、ガラスに映る街を行き交う人たち。移民大国フランスはEU残留を選んだ。マクロン新大統領は難民問題とどう向き合っていくのだろうか(5月9日、パリ)=浅原敬一郎撮影

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