Tech Frontline

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

攻めるアマゾン、NFLとストリーミング大型契約の思惑
渡辺史敏 ジャーナリスト

(1/2ページ)
2017/6/19 6:30
共有
保存
印刷
その他

スポーツイノベーターズオンライン

 2016年の米国消費者によるネット通販で43%と圧倒的なシェアを持ち、最近ではスピーカー型の音声アシスタント端末「Amazon Echo(エコー)」のヒットで、ますます存在感を高めている米アマゾン・ドット・コム。同社はこの勢いをそのままに、さらなる攻めに打って出た。

 2017年4月4日、米国のスポーツ界で圧倒的な人気を誇る、プロアメリカンフットボールNFLと、9月に開幕する2017年シーズンのライブストリーミング配信契約を締結したことを発表したのだ。

Amazon.comのホームページ。トップでアマゾン・プライムでの動画視聴サービスを宣伝している(図:Amazon.com)
画像の拡大

Amazon.comのホームページ。トップでアマゾン・プライムでの動画視聴サービスを宣伝している(図:Amazon.com)

 現地の木曜夜に開催される「サーズデーナイトフットボール」(TNF)から10試合で実施される予定だ。契約料は5000万ドルと推測されているが、この契約からはNFLとアマゾン、双方の思惑と課題が垣間見える。

 まずNFLだが、これまでは大手ネット企業と組むことによる、特に米国市場向けの大々的なサービス展開には消極的な姿勢を見せてきた。年総額50億ドルもの放映権料を支払う契約テレビ局に配慮していたため、と見られている。

 従来、提供していたゲーム中継のストリーミングは、以下のように限定的なものだった。1.北米以外の海外向け有料サービス「Game Pass」、2.衛星放送のディレクTVによる本来の放送地域外向けゲーム中継が視聴できる有料パッケージ、3.サンデー・チケットの契約者向けサービス、4.日曜夜開催の「サンデーナイトフットボール」を放送するNBCによる自局サイトでの実施、などである。

■NFL、2015年に方針転換

 それが、「OTT(オーバー・ザ・トップ)」と呼ばれるストリーミング配信サービスの普及を背景に、大きく方針転換したのが2015年だった。

NFLの試合の模様1(写真:NFL)
画像の拡大

NFLの試合の模様1(写真:NFL)

 同年には、米ヤフーと1ゲームをライブでストリーミングすることで契約・実施されたのだ。ヤフーとの契約の特徴は、このゲーム中継が出場チームの地元以外では米国を含め、全世界的に一切テレビ中継されない独占契約だった点にある。この契約でヤフーは1700万ドルをNFLに支払った模様だ。

 ただ、この試合は英国ロンドンでの開催で、米国東部時間の日曜朝9時30分開始というもともと視聴率が望めないゲームだった。テレビ中継がなくても影響が少ないという背景もあったのだ。結果、米国内では164万人がこのストリーミングを視聴したという。

 その後、2016年にライブストリーミングの権利を獲得したのは米ツイッターだった。契約内容は今回と同じ、TNF10試合での実施で、契約料は1試合のみだったヤフーよりも安い1000万ドルと見られている。

 これは独占契約ではなく、同じ10試合を地上波のNBCもしくはCBSが、さらにケーブルチャンネルであるNFL専門局のNFLネットワークもテレビ中継を行ったことが大きな要因となったようだ。

 またNFLの公式携帯電話スポンサーの米ベライゾンは自社端末向けのストリーミング権を持っていたし、CBSも契約者向けのストリーミング権を得ていた。つまり、他に視聴手段が多数あるなかでの契約だったのである。

 それでもツイッターのストリーミングは平均350万人の視聴者を獲得、そのうち55%は25歳以下だったという。同社はこの契約を契機にライブストリーミング事業に力を入れており、2017年第1四半期にはニュースや政治番組などを含めると400以上のイベントをライブストリーミングしている。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

日経BPの関連記事

【PR】

Tech Frontline 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

GR DIGITAL III」「同IV」のキャップリングを構成する部品を3Dプリンターで造形し、金型の更新を不要とした。従来はポリカーボネート(PC)を射出成形していたが、粉末床溶融結合法の3Dプリンターでポリアミド(PA)12を使い造形。後処理として黒に染色している(写真:リコー)

リコー 製造終了デジカメの部品、3Dプリンターで造形 [有料会員限定]

 自社の製品開発プロセスにおける試作品だけでなく、顧客の手元に届く最終製品の製造手段としての活用も広がる3Dプリンター(AM、Additive Manufacturing)。従来の他の工法に比べて形状…続き (10/16)

ゴーグル不要「裸眼VR」、一瞬で未体験ゾーンの破壊力 [有料会員限定]

 「ワオ!」「アメイジング!」――。2017年3月に米国テキサス州オースティンで開催された音楽や映像、ネット技術の国際見本市「SXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)2017」。会場の一画では、来場…続き (10/17)

ICカードかざさず改札通過 ソニー、近接無線普及に再挑戦 [有料会員限定]

 ソニーが近接無線通信規格「TransferJet(トランスファージェット)」の普及に再び挑む。次世代仕様「TransferJet X」と独自のアンテナ技術を組み合わせて、B to B分野での採用を狙…続き (10/2)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

TechIn ピックアップ

10月18日(水)

  • Apple、iOS/macOSなど全OSでWi-Fi脆弱性の対応パッチを近く提供へ
  • NEC、働き方改革推進の「見える化サービス」などを強化―勤務状況を可視化
  • スマホに続く市場?AIスピーカーでGoogle、LINE、Amazonが火花

日経産業新聞 ピックアップ2017年10月18日付

2017年10月18日付

・百度の日本法人、部屋の壁に動画投映するAI照明 来夏に国内販売
・ソニーモバイル、筒型ロボット発売へ 家族の一員に
・楽しい運転、脳波で測る 産総研
・GMO ビットコイン採掘に100億円 独自半導体で中国勢に挑む
・三菱ふそう、トラックの機能をスマホで操作 車両データも遠隔確認…続き

[PR]

関連媒体サイト