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リオ五輪、失意の代表落ち バレー・古賀紗理那(中)

昨年6月、監督の真鍋政義(当時)が発表したリオデジャネイロ五輪の12人の代表メンバーの中に古賀紗理那の名前はなかった。リオで2大会連続のメダルを目指すチームは守備重視の陣を敷いた。監督は古賀落選について問われるとこう答えた。「彼女はディフェンス力が課題だと思う」

「今後の課題は全部」。技術的な課題に加え、高負荷のウエートトレーニングにも取り組む

2015年のワールドカップ(W杯)で古賀は輝いた。木村沙織、長岡望悠(久光製薬)とともにチームの攻撃の中心となった。身長180センチは世界と比べれば見劣りするが、相手のブロックを見ながらスパイクを巧みに操った。W杯では総得点で5位。全日本の次代を担うエースとしての働きを存分に見せた。

課題洗い出し成長の糧に

さらなる飛躍が期待されていた16年のリオデジャネイロ五輪の世界最終予選兼アジア予選。古賀も大会前には「世界の高さにも慣れ、新しい発見もあった。責任感を持ってやっていきたい」と前を見据えていた。

ところが、最終予選では攻守に精彩を欠いた。気負いからか、攻撃は柔軟性に欠けて単調になりがち。相手のブロックにかかる場面が増え、思い切りの良さも消えてしまう。迷いは守りでも顕著になり、サーブレシーブが不安定に。そこを執拗に狙われた。

最終予選後のワールドグランプリで復調の兆しは見せたが、本来のプレーには遠かった。正直なところ、自分でも「自信なさそうにプレーしていたと思う」という。そして代表落ち。ショックだった。目標としてきたものを逃したことは言葉では表せなかった。

リオ五輪を目指して走り続け、あと一歩のところで届かなかった。張り詰めていたものが途切れて、気持ちの整理がなかなかつかない。だからバレーボールを離れ、一度すべてをリセットした。「2週間、とにかく休みました」

その後はNECに戻り、新シーズンに備えた。チームメート、スタッフは温かく迎え入れてくれた。仕切り直し、そう思った。この時、チームから「自分の課題は何か」「改善するには何が必要か」紙に書いて提出するよう求められた。

言葉にして整理すると、それまで「漠然と調子が悪い、うまくいかない」と感じていたことの何が問題なのか、明確になった。例えばスパイクを放つ際のジャンプの高さ、例えばブロックをする際の体の軸がしっかりぶれずにいるか……。これまで見えていなかった部分がはっきりしてくる。「プレーをしっかり振り返ることができた」

やるべきことが分かれば実行あるのみ。夏場の練習では技術的な課題に取り組むとともに、負荷の高いウエートトレーニングにも積極的に取り組んだ。おかげで「スパイクを打つ際の高さが(思い描いたような)形になってきた」と手応えを感じるまでになった。

NEC監督の山田晃豊は「チームの攻守の中心になりつつある。一歩(壁を)乗り越えて成長したんじゃないかと思う」という。だが古賀の目指す場所はさらに一歩高い。「今後の課題? 全部です」(敬称略)

〔日本経済新聞夕刊5月23日掲載〕

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