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楽天・梨田監督、大胆な采配の裏にある細心
編集委員 篠山正幸

(2/2ページ)
2017/5/16 6:30
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昨年、ウィーラーは27本塁打と開花することになる。梨田監督の心配は杞憂(きゆう)であったかというと、そうではないだろう。一事が万事で、ここまで目配りできているからこそ、他の選手を含め、最も力を発揮しやすい環境ができているのに違いない。

冷徹な観察は一方で厳しさに

「気配り=優しさ」という単純なものではない。選手の冷徹な観察は、一方では厳しさという形となって表れる。

梨田監督(左端)の勝ってなおの談話の厳しさはやっと戦える体制になったという手応えの裏返しか=共同

梨田監督(左端)の勝ってなおの談話の厳しさはやっと戦える体制になったという手応えの裏返しか=共同

ベテランのレギュラークラスを、その地位に安住させない。就任1年目の昨年、主戦捕手の嶋基宏に代えて、新人の足立祐一をあえて起用した。出場は73試合に上った。嶋に何かあった場合のバックアップ体制をつくっておくのが主眼と思われ、今季早速その"保険"が生きた格好になった。

しかし、そこにはもう一つの思惑もあったと思われる。捕手は一人に任せた方がリードの継続性といった点で望ましいのではないか、という話題になったときに、梨田監督は捕手固定制の利点を認めながら、こうも語っている。「勝率5割に届かないのに、捕手が一人で代わらずにマスクをかぶり続けるのもおかしい」

捕手出身の監督だから、余計捕手には厳しくなるのだろうが、つまりは負けが込んでいるのには捕手にも責任がある、と言っているわけだ。球界を代表する捕手の嶋でさえ、特別視はされない。

銀次の二塁起用にも、攻撃型のオーダーを編成する狙いと同時に、正二塁手、藤田一也への刺激材料とする意味があるのではないか。

引き締め策の絶妙なさじ加減

引き締め策も、きつすぎると逆効果になりかねないが、そのあたりのさじ加減はさすがに実績豊富なベテラン監督。

今季最多の20安打で大勝した6日の西武戦のあと。梨田監督のコメントは四分六で、辛さが勝っているように思えた。初回に5点を挙げたものの、なかなか追加点が取れなかった打線の不首尾、8回2失点と文句なしの成績にみえた先発・美馬学が、8番の外崎修汰に浴びたソロ2発への苦言……。

勝ってなお、の談話の厳しさは、就任2年目にしてやっと戦える体制になったという手応えの裏返しでもあるに違いない。

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