勝負はこれから

フォローする

楽天・梨田監督、大胆な采配の裏にある細心
編集委員 篠山正幸

(1/2ページ)
2017/5/16 6:30
保存
共有
印刷
その他

カルロス・ペゲーロを2番に据えたオーダーや、銀次の二塁起用など大胆な采配で楽天を波に乗せた梨田昌孝監督(63)。用兵的中の背景には選手心理の読みの深さがあるようだ。

気配りの細やかさがうかがえたのが、7日の西武戦(メットライフドーム)。昨年までの所属チームを相手に先発した岸孝之に、同一リーグ内での移籍となったこともあり、ブーイングも浴びせられた。その激しさはいかに岸が西武ファンに愛されていたかを示すものでもあったが、移籍選手にとってはまず乗り越えねばならない"壁"となった。

「続投」判断した要因探ると…

7日の西武戦で2勝目を挙げ、梨田監督(左)と握手する岸=共同

7日の西武戦で2勝目を挙げ、梨田監督(左)と握手する岸=共同

3-0で迎えた七回。岸は中村剛也、エルネスト・メヒアに連続本塁打を浴び、1点差に迫られた。2死後、安打と盗塁で1打同点のピンチを招いた。

球数は100を超えていた。勝ちパターンの継投が確立されている今季の楽天ならば、ここで交代させる手もあったが、梨田監督は続投の判断を下した。

「イニングを全うしてほしかった。(回の途中で)ひきずりおろされる格好になってはね」

今は敵地となった球場のブーイングのなか、岸を途中降板させては相手を勢いづかせるし、何より、本人のプライドが傷つく恐れがあった。西武相手にすっきりした形で勝利を挙げることが「楽天の岸」の大事な一歩になるという判断もあったことだろう。「自分なら、あそこで降りたくはない」という与田剛投手コーチの意見と梨田監督の考えは一致していた。

岸は8番、木村文紀にフルカウントまで粘られたものの、捕飛に打ち取り、七回を完了。ゆったりとマウンドを降り、勝ち投手になった。同点までは岸で行く、と腹をくくった采配が生きた。

昨年のキャンプのときの話。楽天が新外国人としてジャフェット・アマダーの獲得を検討している、という報道があった。喜ぶより先に、梨田監督はゼラス・ウィーラーのことを心配した。「外国人はこういう情報に敏感だからね」

2015年に加入したウィーラーは日本の野球への適応に手間取ったが、シーズン後半からじわじわと実力を発揮。16年シーズンも欠かせない戦力と見込んでいた。外国人枠の問題もあり、新たな外国人の獲得はウィーラーのやる気を損なう方向に作用する恐れもないわけではなかった。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

電子版トップスポーツトップ

勝負はこれから 一覧

フォローする
仲間の寄せ書きが入った高校時代のユニホームを励みにする佐々木朗(さいたま市の球団寮で)=共同共同

 「ハングリー精神」という言葉が、ほぼ死語になった今、プロ野球選手は何に駆り立てられて、つらい練習に耐えるのか。いい車に乗りたい、うまいものを食べたいという「昭和的」なやる気の源に取って代わるものはな …続き (1/21)

プレミア12のベネズエラ戦で逆転勝ちし、ナインとタッチを交わす日本の稲葉監督(手前右端)=共同共同

 米メジャー組の参加はまず見込めない五輪の野球。だからといって、すんなり勝てるとも限らないのは昨秋の国際大会「プレミア12」の内容をみてもわかる通りだ。地元開催の五輪で、日本が初の金メダルを手にするた …続き (1/7)

福田(左)のロッテ入団会見。新天地でも足の魅力を発信し続けてほしい=共同共同

 私、失敗しないので……。プロ野球6球団の争奪戦の末、ソフトバンクからロッテへの移籍が決まった福田秀平(30)に「ここ一番」での盗塁の秘訣を尋ねたときの答えは、人気ドラマの天才外科医の決めぜりふを連想 …続き (2019/12/23)

ハイライト・スポーツ

[PR]