カルロス・ペゲーロを2番に据えたオーダーや、銀次の二塁起用など大胆な采配で楽天を波に乗せた梨田昌孝監督(63)。用兵的中の背景には選手心理の読みの深さがあるようだ。
気配りの細やかさがうかがえたのが、7日の西武戦(メットライフドーム)。昨年までの所属チームを相手に先発した岸孝之に、同一リーグ内での移籍となったこともあり、ブーイングも浴びせられた。その激しさはいかに岸が西武ファンに愛されていたかを示すものでもあったが、移籍選手にとってはまず乗り越えねばならない"壁"となった。
■「続投」判断した要因探ると…
3-0で迎えた七回。岸は中村剛也、エルネスト・メヒアに連続本塁打を浴び、1点差に迫られた。2死後、安打と盗塁で1打同点のピンチを招いた。
球数は100を超えていた。勝ちパターンの継投が確立されている今季の楽天ならば、ここで交代させる手もあったが、梨田監督は続投の判断を下した。
「イニングを全うしてほしかった。(回の途中で)ひきずりおろされる格好になってはね」
今は敵地となった球場のブーイングのなか、岸を途中降板させては相手を勢いづかせるし、何より、本人のプライドが傷つく恐れがあった。西武相手にすっきりした形で勝利を挙げることが「楽天の岸」の大事な一歩になるという判断もあったことだろう。「自分なら、あそこで降りたくはない」という与田剛投手コーチの意見と梨田監督の考えは一致していた。
岸は8番、木村文紀にフルカウントまで粘られたものの、捕飛に打ち取り、七回を完了。ゆったりとマウンドを降り、勝ち投手になった。同点までは岸で行く、と腹をくくった采配が生きた。
昨年のキャンプのときの話。楽天が新外国人としてジャフェット・アマダーの獲得を検討している、という報道があった。喜ぶより先に、梨田監督はゼラス・ウィーラーのことを心配した。「外国人はこういう情報に敏感だからね」
2015年に加入したウィーラーは日本の野球への適応に手間取ったが、シーズン後半からじわじわと実力を発揮。16年シーズンも欠かせない戦力と見込んでいた。外国人枠の問題もあり、新たな外国人の獲得はウィーラーのやる気を損なう方向に作用する恐れもないわけではなかった。
1998年、日米球界間の移籍の新たな「通路」として導入されたポスティング(入札)制度はフリーエージェント(FA)権を獲得する前の「旬」の選手のメジャー挑戦を可能にする一方、日本プロ野球の空洞化をもた
野球の判定に、どこまで「機械の目」を導入すべきか――。改めて考えさせられる場面が、ナショナルズとアストロズが“世界一”を争った今年のワールドシリーズで見受けられた。
2勝2敗で迎えた第5戦(10月2
侍の魂が、日本ハム・清宮幸太郎の飛躍をもたらすか――。中日の2軍監督を退任、14年ぶりに古巣に復帰し、ヘッド兼打撃コーチとなる小笠原道大さん(46)は現役時代、「言い訳無用」といった「剛の者」の香り